第12回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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(東京都)北区立王子第二小学校 5年 佐藤 せり花(さとう せりか)さん
意見を聞いた人:母
記事見出し
思いやりの言葉 しおりに コロナ禍、地域へエール(岩手日報 2021年5月29日付朝刊)
授賞理由
自分勝手な言葉があふれる社会を憂う佐藤さん。コロナ禍、人を思いやる言葉を込めた五七五調のメッセージをしおりにして配布し、地域を元気づけている中学校の記事に引かれた。
記事を読んだ母から、日本人には短い言葉に本当の気持ちを込める文化があることや、言霊(ことだま)という考え方があることを教えてもらった。また母は「前向きな言葉を使っていきたいよね」と話した。佐藤さんは、相手を思いやる言葉は強いと実感した体験を思い出す。家の中にいる時間が長くなると負の感情になりがちだが、そうした思いを発散するために負の言葉を発しているだけではいけない、と気付いた。
自身の身近な体験から言葉の持つ影響力に思いをめぐらせ、「生きるエネルギーを与える言葉をたくさん発する人間になりたい」と結んだ佐藤さん。新聞記事から自分がどう行動すべきかにつなげ、決意表明した点が高く評価された。
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
ケンカをする時や自分の意見を通したい時に、負けたくない一心でつい汚い言葉や乱暴な言葉を使ってばかりだ。社会を見ても自己主張や論破することがもてはやされ、自分勝手でがっかりするような言葉の世界。そんな中、思いやりあふれる言葉を川柳に込め、しおりを通じて地域の人に届けているこの記事にひかれた。私は衣川中の活動に共感したが、自分のことしか頭にない人にはどう映るのか、と内心不安がよぎる中この記事を読んだ。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
母にこの記事を見せると、「昔から日本人には短い言葉に本当の気持ちを込めるために、言葉を勉強したり書道の練習をしたりしてきた文化があるよね。また、言霊という考え方があって、発した言葉には魂が宿るというくらい言葉には力があると思う。だから、できるだけ前向きな言葉を使っていきたいよね」と話した。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
言葉は、伝えた相手だけでなく、周りでその言葉にふれる人にも影響をあたえる。弟が生まれてからしばらく入院していた病院では、未熟児を育てたお母さんから未熟児を産んだばかりのお母さんに「親子でゆっくり進もう」とか「大丈夫だよ」とメッセージがはってあった。まだ小さかった私はその時はあまりよくわからなかったが、あたたかい感じがするのはわかっていた。先日、弟の通院の時に久しぶりに読んでみると、クーラーの効いた院内にいても、体中があたたまるような感じがした。言葉の持つ力は強く、何より相手を思いやることは強いと確信した。
コロナ禍で家の中にいることが多く、そのイライラで負の感情になりがちだ。それをインターネットの世界で広げていては、その世界から抜けられない。負の言葉を発したら、同じだけ前向きな言葉を発しよう。私も衣川中の人達を見習い、生きるエネルギーを与える言葉をたくさん発する人間になりたいと強く思った。