第11回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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(福岡県)筑紫台高等学校 1年 吉田 なな(よしだ・なな)さん
意見を聞いた人:母
記事見出し
京都嘱託殺人 「生きる権利 尊重を」(日本経済新聞2020年7月25日付朝刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
生きる権利とは何か。身近な人がもし安楽死を望んでいたら。そんなことを深く考えたことのなかった私に生と死について訴えかけてくるような、そんな記事に心打たれた。時に私も死を望んでしまうことがある。しかし、この記事からALS患者が望む死とはとても違うことが想像できた。死ぬ権利でなく生きる権利、ALS患者が抱える苦悩は計り知れない。それでも、死を望むのでなく前を向ける、そんな世の中を形作る一員になりたい。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
母は「誰にでも生きる権利はあるし、いつ誰がどうなるかもわからない。そんななかで、死を選ばなければいけない世の中であるのは、おかしい」、また、「一番変えなければいけないのは人々の意識だ。偏見であの人は〇〇らしいとか言う世の中だから、生きたくても生きにくい人が出てくる」と言っていた。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
海外では積極的安楽死や、自殺ほう助を認めている国もある。確かに自分の人生は自分で決めるものである。だから、死を望むことが悪いことではないとも思う。ALS患者のほとんどは介護を必要としその負担も大きいうえ、実際になってみなければ、苦しみや痛みを真に理解することはできない。しかし、それでも同じく平等に与えられた命であることに変わりなく、死を選ばせているのは社会を構成する私たち一人一人であると強く感じた。人は助け合わなければ生きていくのは難しいが、その助け合いが死を望む相手に死を与えることではなく、生きる喜びを分かち合うものになればいいなと思った。ALS患者だけでなくさまざまな苦悩を抱えている人々が混在する社会で、生について深く向き合い、相手の気持ちを想像するということが、社会をよりよくし、人々が前を向くきっかけとなっていくのではないかと思う。