第11回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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京都府立南陽高等学校 1年 乾 真悠子(いぬい・まゆこ)さん
意見を聞いた人:姉
記事見出し
「生きる」心の叫び 8年前 ALSになった医師の私(朝日新聞2020年8月1日付朝刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者が医師に薬物を投与され、殺害されたとされる事件があった。現代社会の授業で尊厳死と安楽死について考える機会があったこともあり、ALSを発症し死を考えた経験のある女性医師にインタビューしたこの記事に目が留まり興味を持った。記事を読んで安楽死の法制化の是非を考える前に、病気や障がいのある人たちが当たり前に生きていられる社会を作るためにどうすればよいのか考えるべきだと思った。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
看護系の大学に通う姉は講義で、自らの意志があるうちにスイスに渡り安楽死することを選んだ日本人女性のDVDを見たそうだ。そこで「生き方を選ぶことと死に方を選ぶことは同じ重さがあるとすると、個人の尊厳という面では賛成するが個人が確立されていない日本で死を助長するような法律を作ることは怖いと感じた。そして向き合い続けるべき問題である」と話してくれた。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
最近、尊厳死や安楽死を認める法律の是非についてたくさん議論されている。一部の欧米諸国で認めている国もあるので議論することはとても大切だと思う。しかし人々が安楽死を考えないでよいような社会を作ることはもっと大切なのではないだろうか。そのような社会を作るために「誰かの手を借りて生きる人々」を差別する価値観を私たちは変えないといけないと思う。新聞記事の女性医師のように活躍されている方がたくさんいるのだ。病気や障がいのあるなしに関わらず、すべての人々が「生きる」という選択を当たり前にできる社会を作る方法を自分なりに考えていきたい。その上で自分の死に方は自分で決めたいという意見も否定できない。生死の選択にはたくさんの意見があるが、自分なりに答えを探し考え続けることをやめずに生きたいと思う。