第11回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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埼玉県立川越女子高等学校 1年 粂田 愛結花(くめた・あゆか)さん
意見を聞いた人:母
記事見出し
「ブラック企業」 呼び方に異論(朝日新聞2020年8月3日付朝刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
今年5月にアメリカ・ミネソタ州で黒人男性が警官の不適切な拘束方法によって亡くなった事件が報道され、私も黒人差別問題により関心を持つようになった。そんななか、この記事の見出しにハッとさせられた。なぜならば、今まで当たり前のように「ブラック企業」という言葉を使ってきていたからだ。この記事を読んで、意図はなくても差別を助長しかねない言葉を、日常の中で気づかないうちに使っていることはないかと考えさせられた。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
母は、日本人が「ブラック」という言葉を黒人差別の意味で使っているわけではないと言っていた。「痴呆(ちほう)症」から「認知症」のように、言葉の使われ方は時代によって変化し、新しい言葉も増えてきている。初めに使われた理由はわからないが、黒人の方が不快感を抱くのであれば、他の言葉に置き換えたほうがよいと思うそうだ。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
この記事を読んで、日本で劣悪な職場環境をよくしようと使われている言葉が、誰かを傷つけているのならば、一度立ち止まって考える必要があると感じた。日本では「腹黒い」や「白黒つける」などのように、善悪のニュアンスで白と黒という言葉が使われている。しかし、差別された歴史がある黒人の方々に、「ブラック」という言葉は不快感を抱かせてもおかしくない。母の意見を聞いて、何気なく使われ始めた言葉も、時代に応じて変化させることは必要であり、十分あり得ると思った。グローバル化が進み、外国から日本を訪れる人も増え、日本で生まれ育ったり働いたりする外国人も多い。日本には無神経な和製英語があふれており、定着した日本語として使われていても外国の人に不快感を与える表現をしないよう、私たちも注意すべきではないだろうか。言葉の持つ意味をしっかり考えてから話したり、書いたりする。私たちは以前よりもっと使う言葉に慎重になるべきだ。