第11回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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山形県立鶴岡北高等学校 3年 田村 真優(たむら・まひろ)さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

ヤングケアラー 10代介護 可能性奪う(毎日新聞2020年3月22日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

私は初めて「ヤングケアラー」と呼ばれる存在を知って、衝撃を受けた。私と同じ学生でありながら、介護と学業を並行して行う生活は、到底考えられない世界であるからだ。「学生の本分は勉強」と世間ではうたわれているが、現実では大人が担うような介護を強いられている学生がたくさんいることに疑問を覚えた。彼らも同じ学生なのだから、周りの学生と同じように部活動や学業に専念することを望んでいるのではないかとふびんに思う。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

介護関係の仕事に就いている母に話を聞いたところ、「介護は想像以上に大変で、学生が、学業などと十分に両立させることは不可能に近いだろう。介護職に就く人も減っているから、介護を受けたいのに受けられない人が増えて、周囲から孤立し周りの助けが無いので制度を作り、社会全体で助け合っていくべき」と言っていた。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

私は母の意見を聞いて「助け合い」という言葉が印象に残った。社会は困っている人や弱い人に手を差し伸べなくてはいけないはずなのだ。私の「ヤングケアラー」問題解決への提案は、ひとり親家庭や重度の介護が必要な家庭を優先的に入居できるような制度を作るという案だ。まだまだ重要視されないヤングケアラーたちは社会から切り離されて孤立してしまっている。だから未来ある若者のために政府は支援や対策を立て助け合うべきだ。「ヤングケアラー」たちは、自分のために使える時間を犠牲にしてまで介護しなくてはならない状態にある。学生にとってのこの時間がどんなに価値を持っているのかを、私は残り少ない学校生活の中で痛感している。彼らの気持ちを考えると、やるせない気持ちと、この社会に対して怒りを感じる。このままでいいはずがない。彼らの負担を一刻も早く軽くして、社会全体で制度を作り助け合って、彼らを支援することが必要だと考える。