第11回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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福岡市立香椎第1中学校 1年 平野 希美(ひらの・のぞみ)さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

「ブラック企業」 呼び方に異論(朝日新聞2020年8月3日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

普段、軽く使ったり聞いていた言葉が差別的な意味を持っていた。このことに驚きを覚え、他の人の意見も聞きたかったから、私はこの記事を選んだ。この、「ブラック企業」という言葉が黒人差別を助長するのなら、率直にやめようと思った。でも、この言葉は働き手を守るためにつくられた労働運動のキャッチーな言葉で、人のための言葉である。でも、人のための言葉が人を傷つけている。これは正しい形なのだろうか。難しいな、と感じた。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

私の母の意見は、こうだ。「記事にもあった通り、日本には『腹黒い』や『黒幕』といった言葉がもとからあり、マイナスの表現としての『黒』があります。ただ、今は外国の方が増えているので、その方々にも分かる『ブラック』という表現をするのであれば、簡単に和製英語として使用することは控えるべきかと思いました」

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

この問題は本当に難しい。私は働き手でもなければ黒人でもないので当事者ではない。だから難しいと当初は思っていた。でも、母と話すうちに、「難しい」の意味合いが変化した。私が「当事者ではないから」というと母から、「それは違うんじゃない」と言われた。ハッとした。確かに、私は黒人でもなければ、働き手でもない。でも、その言葉を使用している人の一人だった。なぜ、気が付けなかったのだろう。この気付きから、当事者意識を持たないことこそが最大の問題点なのだと思い知らされた。この問題は、誰か一人の考えで片付けられるものではない。さまざまな立場の人に、まず広く知ってもらい、関心を持ってもらうところから始まると私は思う。また、この「ブラック企業」以外にも知らないうちに差別をしている言葉はある。まず一つのことを知ることから始め、徐々に関心が広がるとよいな、と思った。