第11回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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(大阪府)清風中学校 1年 田中 泰斗(たなか・ひろと)さん

意見を聞いた人:父・母

記事見出し

広島 平和宣言全文(朝日新聞2020年8月7日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

8月6日、海外の知人から質問を受けた。「日本はアメリカから2回も原爆を落とされたのに、誰もアメリカを非難しない。なぜ?学校でどう教わってる?」。僕は驚いた。学校では日本が悪かったと習っただけで考えたこともなかったからだ。そこで今年の原爆に関する新聞記事を全て読んで、この記事と出会った。やはり、ここでも現在も残る原爆被害の悲惨さは語られていても、アメリカへの非難はなく、疑問は消えないままだった。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

僕は新聞も学校もアメリカの行いを直接非難しない理由を両親に尋ねた。父は「私たちは歴史から多くを学ばないといけない。でも、歴史の多くは戦争の勝者の物語だ。何が真実で何が虚偽かは自分で調べて判断するしかない」といい、母は「大事なことは将来にどうやって原爆を廃絶するかだ」と返答した。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

僕は、両親の意見はもっともだと思った。大事なことは、核兵器を廃絶することなんだ。本来、歴史は事実を語らなければならない。2回の原爆投下で21万人以上の犠牲者が出て、75年たった現在も被爆で苦しんでいる人たちがいる。許されるはずのない非人道的な行為だ。しかし、アメリカは原爆投下は正しかったと主張し、勝者の歴史を語り、戦後、なんの反省もないまま、現在も核兵器の廃絶どころか、逆に、新型の核兵器を開発している。もっとも、アメリカを非難するだけでは核兵器の廃絶にはつながらない。「非難」は相手の態度を硬化させるだけで何も生まないからだ。むしろ大切なことは、日本は、唯一の被爆国として、アメリカを「非難」するのではなく、アメリカに、さらに世界に向けて、核兵器の悲惨さや廃絶の必要性を「説得」し続けることなんだと、この記事(平和宣言)に込められた強いメッセージと両親の助言から、僕はそれに気付くことができた。