第11回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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愛知県大口町立大口西小学校 5年 伊藤 穂乃花(いとう・ほのか)さん

意見を聞いた人:祖母、母

記事見出し

『人は違う』 私から学んで 視覚障害の学生 教員試験挑む(中日新聞 2020年6月14日付朝刊)

授賞理由

将来、教員になりたい伊藤さん。視覚障害のある学生が教員採用試験に挑むことを報じる記事に、目が留まった。学生の教職への思いや夢に向かって努力する姿に心を打たれ、障害者が活躍できる社会について考えた。

かつて高校で働いていた祖母から、障害者との共生は理想としつつも学校現場が多忙であり、実現が容易ではないことが語られ、疑問を持った。さらに母から「学校は何のために行くところだと思う?」と問いかけられ、障害者についてもっと知りたいとの思いを抱き、障害者の活躍に関する本を読んだり、採用が進まない理由を調べたりするなどの行動に移した。

教員になる夢があることから記事の内容を自分ごととして捉え、家族との対話により生じた疑問について能動的に情報を集めた。そのうえで、障害者を受け入れる側の問題にまで視野を広げ、提言に至った点が高く評価された。

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

私がこの記事を選んだ理由は、障害者の人がどうやってじゅ業をするのだろうと興味を持ったからです。今まで障害者の先生に出会ったことがなかったし、おどろきました。私もしょう来、学校の先生になりたいと思っています。この記事を読んで、「人は違う」ということを自分を通して学んでほしいという思いや、夢に向かって努力する姿に心を打たれました。障害者の人が活やくできる社会はいいなと思いました。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

この記事を読んで3年前まで高校で働いていた祖母は、「障害者との共生社会はもちろん理想だね。でも現場で働く先生たちの理解が得られるか…。みんな頭では分かっていても、忙しすぎる現実がある」と言っていました。母は「学校って何のために行く所だと思う?」と、私に問いかけました。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

障害の有る無しに関係なく、お互いを認め合い助け合う社会がいいに決まっている。それなのに考えこむ祖母の反応を見て、障害者についてもっと知りたいと思い、全盲先生として活やくする人の本を読んだり、障害者の採用が進まない理由を調べた。その中で気づいたことは、受け入れる私たちが足を引っ張っているということだ。障害者の人を見て、じゃまにならないように道をあけることはできても、近づくことができない人がほとんどだ。ふだん関わっていないので、どう手助けしたらよいか分からないのだと思う。だから学校を特別支援やふ通と分けるのではなく、みんなふ通学級で一緒に過ごし、子供のときから障害のある人を身近に感じることが必要だと思う。1クラスの人数を今の半分ぐらいにして、障害に応じて専門の人や支援員をつければ、先生たちの負担も減るのではないか。学校って勉強だけじゃなく、いろんな人との関わり方を学ぶ所でもあると思った。