第10回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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宮崎県立宮崎西高等学校附属中学校 3年 小田切 馨子(おだぎり・きょうこ)さん

意見を聞いた人:父

記事見出し

人生の不可解さ ~プロムナード(日本経済新聞2019年3月28日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

私たちは、頭のどこかで、こんなことを思っていないだろうか。障害を持っている人の将来は暗い。障害を持つと不幸だ。障害のある家族を持つと、それもまた不幸だと。その考えが、どれだけ浅はかな考えであるかを、この記事に出てくる女性が、見事に証明してくれた。私たちの視野がどれだけ狭く、偏っているのか、また、人生を知った気になっていたのかを気づかせてくれる記事だった。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

人の関係性は、親に自分が育てられる関係から始まる。次に自分の子どもが生まれて自分が育てる立場へ変化する。そして自分の親をみとる関係へ、さらに自分がみとられる関係へと移り変わっていくものだ。人間は関係性の中で生きている。子どもとの関係性に限らず、人との関係性には学びが常に潜んでいるのだとあらためて感じると、父が言っていた。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

実は、この記事を読んだ父が、「人との関係性」について話すとは、思いもしなかった。父が言うように、人間は生まれてから死ぬまで、人との関わりの中で生きている。そして、その関係性は、時とともに移り変わっていく。障害を持ち不憫(ふびん)だと思われていた女性が、親に育てられ、結婚をして、子を育てる立場になり、そして、今度は障害を持つ親を支える立場になった。彼女がこんな人生を送ることを、誰が想像しただろうか。また、彼女の母親や義父は、自分が障害者となり、障害を持つ彼女に生きるすべを教わることになろうとは、全く想像していなかっただろう。この記事を読んで、人生とは不可解なものなのだということ、人は人との関係性の中で、これまでにない気づきや学びに出会うということを知った。