第10回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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横浜市立小田中学校 2年 白石 幸々(しらいし・ここ)さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

許せるものですか? 松本サリン事件被害者 河野義行さん(朝日新聞2019年8月3日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

「殺人者のぬれぎぬ『人は間違うもの』子に言い聞かせた」。この見出しを見て、私にはない発想に、どうしたらそう言えるのか知りたくて選びました。読み終えて同じ立場だったらと想像してみると、やはり私には絶対にできません。この記事の河野さんはよほどの人格者なのか、それとも、そうならざるをえなかったのか理解に苦しみました。でも、同時に同じようにはできなくても私にもできる何かがあるのではないかと思いました。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は「自分を河野さんと置き換えてみて、人は間違うものだと子供に同じように言える自信がない、とてもまねできない境地だ。同時に自分の中に許せる心の範囲、限界を設けていることに気づいた。自分の心に限界を設けること自体が相手を理解しようと努力していないことだと気づかされた」と言っていました。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

母と話し合って、心に限界を作っていたから犯人を許そうと思えなかったのだと気づきました。この限界は誰でもない、自分が知らない間に作っていたものです。そしてなくせるのも自分しかいません。母と話すまではこのように考えられなかったし、犯人を許す気持ちも理解できませんでした。きっと、河野さんも犯人と対話を重ねることで相手を理解し、許すという境地に至ったのだと思います。自分には自分の考えがあり、相手にも相手の考えがあります。これはお互いを知ろうとしなければ気づけないものであり、相手を知ろうとするほど心の限界はなくなっていくはずです。一人ひとりがこのように考えたら世界は今よりずっと素敵になると思います。まずは私から始めます。より大勢の人と関わり、さまざまな考え方を理解する努力をします。そして、知らない間に作っていた心の限界をなくしていきたいです。心の限界をなくせるのは自分だけなのだから。