第10回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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埼玉県毛呂山町立毛呂山中学校 1年 須藤 貴海(すどう・たかうみ)さん
意見を聞いた人:母
記事見出し
「川崎殺傷にならぬよう殺害」元次官 暴力受けあざ(東京新聞2019年6月4日付朝刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
残酷な川崎殺傷事件のつながりで起きた事件だったので関心を持った。被害者である息子の命で子供たちの命が救えたと見るべきか、それとも被害者は実際に包丁を片手に小学校に向かっていたわけではないのに殺された、残酷な殺人と見るべきなのか、複雑な思いになった。どちらにしても、親が追いつめられていたことが伝わる。両親の最後の「責任」を取るつもりだったのかもしれない。こうなる前にどうにかならなかったのだろうか。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
確かに他人には想像できないくらい親は追いつめられて大変だったと思う。愛情もあっただろうし努力もしたと思う。でも我が子を殺すことが親の「責任」とする考えはとても危険だ。子供の命は子供のものだから。あなたは小学校の頃にどうしても行きたくなくて休んだことがあったけど、どんな気持ちだったの、と、母は言った。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
僕は行きたくても行けない不安な気持ちだった。だけど、家で1日休んで心の充電をするとまた明日から頑張れる気持ちになる。両親は話を聞いてくれるし、僕を信用してくれているからだ。逆に、父や母から話も聞かずに励まされたり頭ごなしに怒られたりしたら、余計に不安になり外に出ることが怖くなってしまうかもしれない。両親は息子が中学校でいじめにあい不登校になったとき、息子の心にしっかり寄り添えていたのだろうか。被害者の心を知ることは永遠にできないけど、最初から攻撃的だったのではなく、家族といても満たされない思いがあったのかもしれない。辛い思いをして“心の皿”にひびが入ったとき、叱咤(しった)激励を乗せると皿が粉々に割れてしまう人もいる。そんなときは、お皿のひびを優しく修繕してくれる寄り添いのボンドが必要だ。ひきこもりの問題には社会の理解や支援も大切だ。だけど根本にあるべきは、家庭での居場所作りなのだと改めて感じた。