第10回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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大分県立大分舞鶴高等学校 2年 遠藤 はな(えんどう・はな)さん
意見を聞いた人:父・母
記事見出し
新出生前診断 支える仕組みの強化を(大分合同新聞2019年8月11日付朝刊)
授賞理由
出生前診断に関する論説記事を読み、「親であっても障害の有無で子供の生死を決めるのはおかしい」との意見を持った遠藤さん。他の記事も読んで考えが変化し、出産と育児を経験している両親の意見も聞くことにした。
「障害のある本人も苦しいので出産がいつも正解とは限らない」「その子の未来が苦しいと決めつける必要はない」。両親の意見は分かれたが、子供の幸せを第一に考えている点で共通していることに遠藤さんは気が付いた。そして、出産すると決めたなら、何があろうと生まれてくる子を幸せにする覚悟を持つべきとの意見表明に至った。
正解のない問題について、両親との話し合いを通じて自分ごととして向き合い、異なる意見から共通点を見いだし、考えをまとめた点が高く評価された。難しい社説を読み込んでその内容を受け止め、自身の決意に結びつけている点もすばらしい。
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
この記事を読んだとき、私は、「いくら親であっても、障害の有無によって親の一存で子供の生死を決めるのはおかしい」という意見を持った。しかし、出生前診断についての他の記事をいろいろと見ていく中で、子供の生死を選択する親だけが悪いとは言えないのではないかと、意見が変わった。そこで、子供を三人出産した母と、その夫である父に、子を持つ親としての意見を聞きたいと思い、この記事を選んだ。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
父の意見は、子供が障害を持っているということは、親に負担が大きいだけでなく、その障害を一生背負って生きていく子供にとっても苦しいことだから、いつでも産むことが正解とは限らないというもので、母はまだ始まっていないその子の未来が苦しいものだと決めつける必要はないと思うという意見だった。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
父と母で異なる意見だったものの、二人共、子供の幸せを一番に考えているという根本の部分は同じだった。もし自分の子供が障害を持って生まれてくると分かったとき、どちらの選択が正解なのかは、誰にも分からないけれど、その選択をするとき、一番に考えるべきなのは、「生まれてくる子供が幸せになれるのか」ということなのだと、両親に学んだ。また、出産の経験も子育ての経験もない私の視野の狭い意見は、その両方を経験した父と母の意見を聞くことで変わった。子供の幸せを一番に考える。その結果、私の意見は、「まず子供を作るか、作らないかという選択の段階でよく考え、作るという選択をするならその子がどんな姿で生まれてこようと、親である自分が幸せにしてあげるのだという覚悟を持つべきだ」というものになった。これから先、自分が子供を出産するときに迷いそうになったら、その子の幸せを一番に考えるということを思い出して、選択を行いたい。