第9回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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佐賀県立小城高等学校 3年 吉田 理子(よしだ・りこ)さん

意見を聞いた人:父

記事見出し

飢えと残飯に決別を スマホで貧困脱却へ~壁の向こうへ 22(佐賀新聞2018年6月14日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

新聞をめくっていた私の目に飛び込んできたのは、「スマホで貧困脱却へ」の文字でした。好奇心が芽生えた私は、読み進めていくうちに、自国の裕福さ、貧困に対する無知を痛感させられることになったのです。結婚式場で余ったきれいな飯、いわゆる「残飯」を配給するプロジェクトがバングラデシュで行われていることを知り、私は幼稚にも、それで人々の空腹が満たされるのなら、ぜひ発展させていくべきだという考えを持ちました。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

父は、「スマホで連絡するだけで24時間いつでも食糧が配給されるのは、貧困で悩んでいる人々にとってはありがたいことだろうね。でも、それはあくまで私たちが残したものを配給するのであって、その残飯は、食べたくても食べられない人を尻目に私たちが出したものであるということを忘れたらいけないね」と言っていました。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

私は父の意見を聞き、「何て私は軽率な考え方をしていたんだろう」と、自分が恥ずかしくなりました。確かにスマートフォンからの連絡ひとつで、貧しい子どもたちの空腹が少しでも緩和されるのは素晴らしいことです。しかし、この取り組みの根底には、「これくらい残してもいいだろう」という恵まれた私たちの甘えがあるのです。ましてやスマートフォンがさほど普及していない発展途上国において、果たして本当に支援を要している人へ救いの手を差しのべていると言えるのでしょうか。世界中をあげて、現地で材料から自給自足が行えるように、資金や技術の面でサポートするなど現実的な取り組みを考えていくのが良いと考えます。しかし17歳の私には、貧困が解決できそうな考えなど、そう簡単には浮かんできません。そこで私は、嫌いだから、満腹だからといって安易に食事を残してしまう浅はかな自分を断ち切ることから始めようと思います。