第9回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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(東京都)創価高等学校 1年 池田 絵美(いけだ・えみ)さん

意見を聞いた人:祖母

記事見出し

戦争遺跡「インスタ映え」~記録と記憶 消された戦争 6(朝日新聞2018年8月19日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

私はこの記事を読んで強い憤りを感じた。平和を実現していくために私たちが忘れてはいけない戦争の事実。その事実を伝えるためにある戦争遺跡がまったく違う用途として使われているからだ。73年前のそう遠くない過去にその場所で行われていたことを知らず、現代ならではの「インスタ映え」や遊び半分の「肝試し」に利用するという行動は、これからの戦後世代へ戦争に対する考え方の警鐘であると思う。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

祖母は「歴史を知らずやった一線を越えた行動が許されるわけではないが、全面否定することもできない。今の人たちに私たちと同じ戦争の体験をしてほしくないが、歴史を知り、自分だったらと考えられる優しさを持ってほしい。戦争を経験した人がいて今の自分たちがいることを知ってほしい」と言っていた。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

この記事について話し合う前、私は戦争遺跡をインスタ映えや肝試しに使う人に対し、真っ向から否定する気持ちがあった。実際に戦跡に訪れ、その場所で何が起こったのか話を聞けば、言葉も出ないほど、写真を撮る人も出ないほど考えさせられるのではないかと思った。しかし、祖母の意見を聞いて、歴史を知らなければ、戦跡は「ただの場所」になってしまうのだと思った。考えてみると、私も歴史を知らなければ戦跡を遊び場として使ってしまうかもしれない。なので、戦跡の歴史を説明することを省いてはいけないと思う。子供たちが戦争は絶対悪という感覚を身につけられることにつながるからだ。また、SNSに投稿する写真や言動が、違う視点から見ても常識的なものかを一人一人が考え、価値ある情報を双方向で伝達していくことが、これからのSNSの在り方だと思う。戦後世代が8割を超える今、私たちが聞き、伝える自覚をなくしてはならない。