第9回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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埼玉県立川越女子高等学校 2年 高森 由羽(たかもり・ゆう)さん
意見を聞いた人:母
記事見出し
「生きて」の一念で~縮む日本の先に 最期の選択 3(毎日新聞2018年6月2日付朝刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
この記事を選んだのは、「胃ろう」という言葉が目に止まったからだ。胃ろうとは食物の経口摂取が不可能な患者に対し、人為的に胃内に管を通し、食物を投与するための処置のことで、私はこの記事を読むまで、この言葉の意味を知らなかった。もし私が口から栄養を取れなくなったとしたら、この治療は望まないと思う。生きるためとは言っても、何を食べているか分からないのは嫌だし、食べるのが好きな私にとって一番つらいことだからだ。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
母は「介護施設で働いていたことがあるが、本人がどんな状態でも生きていてほしいと願う家族は多く、このように胃ろうの方法をとることはよくある。本人が延命治療を望まず、たとえ自己満足になってしまったとしても、親に長生きしてほしいと思う気持ちは分かる気がする」と言っていた。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
母の意見を聞いて、私は自分の立場でしか「胃ろう」という治療法について考えられていなかったと思った。治療される側としてはもちろん嫌だと考えると思う。でも、もし自分の例えば親がこの治療を受けざるを得ないとして、受けたくないと言っていたとしたら、私はすんなりと受け入れることができるだろうか。きっとできないだろうと思う。親には通常の食事が取れないとしても、ただ生きていてほしいと思うからだ。治療を受けて命を少しでも延ばせるなら、そうしてやりたいと思うのが周りの人たちだと思う。このように、延命治療を考えると、立場が変わるにつれて全然意見も異なってくる。いろいろな視点から考え、可能であれば本人とも話し合った上で最終的には、本人の思いを優先してあげるのが一番良いことなのかなと思った。ただ、実際にその場面に立たされてみないと分からない、答えのない、難しい問題だと思った。