第9回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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埼玉県立川越女子高等学校 2年 稲生 千紗(いのお・ちさ)さん
意見を聞いた人:父
記事見出し
安い服 しわ寄せ働く人に(朝日新聞2018年7月3日付朝刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
「多くの新品の服が売れ残り、廃棄されている」という文章を読んで、以前テレビで売れ残った服の行く先を追いかける番組を見たことを思い出した。国内業者や外国人実習生に大きな負担がかかるのはなぜか、と疑問に思い、この記事を選んだ。私は服を買うとき、同じようなものなら当然のように安い方を選ぶ。しかし、安い服は低賃金・長時間労働に支えられていることは知らなかった。新品の服を大量廃棄するのはあってはならないと思う。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
父は言った「この問題は現在進められている働き方改革にもつながると思う。消費者である私たちがより安いものを求めるのは当たり前だ。しかしその裏側では、低賃金で長時間働いている雇用者がいる。私たちは企業に雇用者の労働の現状を公開することを求め、その現状を知った上でどの企業のものを買うか考えるべきだ」と。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
話し合う前は、この問題は安く大量に供給する衣料市場に関するものであり、それにともなった縫製業者の問題だと思っていた。しかし父の意見を聞いて、縫製業界の低賃金・長時間労働は深刻であり、働き方改革に通じるものがあると考えるようになった。私自身も企業は雇用者の現状を公開すべきだと思う。そして私たち消費者は、その企業の状態を考えてただ安いものを選ぶ買い物はやめるべきだと感じる。しかし、この問題は企業と消費者だけで解決できるものではないだろう。企業は他の会社との価格競争でより安く生産したいし、消費者はより安価なものを手に入れたい。そこで、政府が商品による適正価格を示し、企業に対してそれ以上の安値では売ってはいけないとすることや、最低賃金よりも少ない給料で働かせている企業には何らかの処分を与えることが必要だと私は感じる。これからの買い物では適正価格について考えることで、問題解決に一歩でも近づきたいと思う。