第9回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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(宮城県)聖ウルスラ学院英智小学校 4年 髙橋 凜華(たかはし・りんか)さん

意見を聞いた人:父

記事見出し

亡き戦友思い胸うずく~特攻の澱 戦後73年目の夏に 上(河北新報2018年8月16日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

私の祖父も戦死している。父は、よく戦争の話をするが、実際に戦争を経験したことがない私にはピンとこなかった。だが、今年初めて、祖父が戦争へ行く前、妻や母に書いた遺言書を見せてもらった。書かれてあった内容が死への恐怖と戦いながらも親や兄弟、郷土を守るために必死で操縦かんを押さえつけた元特攻隊員、八巻さんの戦友の気持ちと重なった。人間同士の殺し合い、戦争はあってはならないことだと思った。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

父は、戦争は人間の醜い部分であり、二度としてはいけないこと。八巻さんの記事にあるように、戦争が終わっても残された人々の苦しみがあり何年たっても消えることはない。俺が凜華に父の戦死や母の苦労を話すのは戦争の悲惨さ、惨めさを知り、戦争はあってはならないという考えを受け継いでほしいからだと言っている。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

73年前に書かれた祖父の遺言書はボロボロで軽かったが、中身は重かった。内容からは自分が戦死することを分かって書いたことがよく分かる。残される家族への愛、祈るような願い、思いが頭に浮かぶ。祖父は海軍だった。爆撃機と軍艦の戦いでは勝ち目はない。戦死である。父の言葉からは、祖母と同じように戦争で旦那様や子どもを失った人たちがたくさんいる。周りは焼け野原、食べる物も水もなく、生きるために必死だったことを知る。戦争は終わったが残された家族の生きる闘いが始まる。八巻さんは、運良く帰れたが祖父は帰れなかった。きっと、きっと帰りたかったと思う。戦争の原因となった善しあしはよく分からない。でも戦争をしてはいけないということはよく分かる。私もこの話を受け継いで次世代にも伝えていきたい。私の大切な家族、友人そして世界中の子どもたちに二度と戦争という恐ろしくて悲惨な思いをさせてはならない。