第9回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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愛知県豊田市立朝日丘中学校 2年 渡邉 暖花(わたなべ・ほのか)さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

製法 品質 認識の差~どうなる八丁味噌 上/薄らぐ 風土や気候~同 中/主張平行 発信妨げ~同 下(中日新聞2018年8月2日付、8月3日付、8月4日付各朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

「どうなる八丁味噌(みそ)」というタイトルに私はドキッとさせられた。私が普段よく口にする味噌は赤味噌(豆味噌)、合わせ味噌なのだが、豆味噌を八丁味噌と意識したことはない。八丁味噌と名乗っていいのは、岡崎市八帖町(昔の八帖村)のカクキュー、まるやの二つの屋号だけだと思う。しかしGI登録では、愛知県生産の味噌全てを八丁味噌と名乗るという。地元を愛する人間として、違和感を覚えた。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は、「八丁味噌がなぜ県全体の名称になるのか?」という疑問から始まった。また、「3回の連載では、両者の立場が平行線であることは伝わってくるけれど、農水省がそれぞれの組合の主張を丁寧に精査せず、両者が納得できていないままGI登録したのは、結果を急ぎすぎていないかな?」とも言っていた。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

私は今までに八丁組合の味噌蔵を見学したことがあり、そのとき八丁味噌とそれ以外の味噌の違いを、それぞれの味噌蔵で聞くことができた。つまり八丁組合はもちろん、県組合も八丁味噌と豆味噌の違いを明確に理解しているのだ。にもかかわらず、農水省も県組合も豆味噌を八丁味噌として海外に売り出そうとしている。それは、半世紀近く海外販売する八丁味噌ブランドに頼っているようだ。しかし本当にそれでいいのだろうか。私はこの記事を読み、「愛知の豆味噌」でGI登録できないかと考えた。豆味噌には、名古屋味噌も八丁味噌も含まれる。豆味噌はいろんな味があっていいのではないか。今回の件で、八丁組合の方にも話を聞き、「愛知の豆味噌」なら大賛成、ということだった。新聞記事は常に私たちに問いかけをしてくれている。この記事は「日本の食文化を正確に海外に伝えていく方法」について考えるきっかけを与えてくれたと思う。