第9回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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(東京都)田園調布学園中等部 2年 二見 純奈(ふたみ・じゅんな)さん

意見を聞いた人:母

記事見出し

相模原殺傷2年 「園のみんな 忘れないよ」(読売新聞2018年7月27日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

障害者施設元職員、植松被告の「不幸をつくる障害者なんていなくなればいい」という主張に対して反対であると感じたため、この記事を選んだ。私はこの記事を読んで、障害者も同じ世界を生きる立派な人間なのだから、私たちと同じように生きていくための支援は無くてはならないものだと思った。被告は意思を変えることなく主張し続けているが、心のどこかには人を大切にするという思いがあるのではないか、とこの記事の会話から考えた。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は「障害者の人たちが想定外の行動をすることによって事件が起きてしまうこともあるので、そのようなことを防ぐための支援は必要だと思う。しかし、実際に自分が障害者と関わり、保護できるかというと自信が無い。殺人については、人数に限らず人の命を奪った者は同等な痛みを味わうべきだと思う」と言っていた。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

母と話し合いをしたことによって、最初に読んだときとは違った意見も自分の中で生まれた。最初は「障害者の命の大切さ」や「障害児がいるからこその幸せ」などのような、世の中の多数の人々が考えているであろう奇麗事で自分の意見を丸く収めていた気がしたが、実際に自分で行動に移せるかと考えてみると自信は無かった。日々の生活の中でも障害者に対する周りの人の目は冷たく、実際に私も少し距離を置いてしまっていると思う。このようなことから、障害者に対する世の中の声と態度は全く違ったものだということが本当の現状だと思う。今回あらためて考えてみた結果、障害者に対して何もしてあげることはできないけれど、日々、皆が人としての平等な命を尊重し、優しさを持ち続けて生きていくことが大切だと思った。人によって意見が異なるこの問題を今後、世の中全体で考えていかなければならないと思う。