第9回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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埼玉県立川越女子高等学校 1年 小椋 由貴(おぐら・ゆき)

意見を聞いた人:母

記事見出し

行き過ぎ広告 ご注意(読売新聞2018年8月1日付夕刊)

授賞理由

「飲んだ瞬間 体重減!?」との見出しの言葉に驚いた小椋さん。他にも行き過ぎた表現の広告があるのか気になり、記事を読み進めた。大手企業でも景品表示法違反を指摘されるケースが多いことを知り、小椋さんは企業側に非があると考えた。

「企業側だけを責めるのではなく、すぐに飛びついた自分の心の隙があったことを反省すべきだ」という母の意見を聞き、消費者である自分たちにも非があることに気付かされた。広告だけでなく、さまざまな情報が飛び交う現代社会では、目の前の情報が信頼できるのかを判断するのは自分たちである。そう考え、情報発信者は影響力の重みを自覚すべきだとの意見をまとめた。

身近な広告の話題から、情報との関わり方、メディアリテラシーへと考えを巡らせ、記事を深く読み込んだ上で自分の意見を表明しており、深い学びに結びついている点が高く評価された。

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

目についたのは、この記事の「飲んだ瞬間体重減!?」という言葉だ。私はあまりにも信じられないその言葉に驚き、他にもそういった広告があるのか気になり、記事を読むことにした。記事を読んで、大手企業が景品表示法違反を指摘されるケースが多いこと、そしてその企業の景品表示への意識の甘さに落胆した。消費者が求めているものを利用し、うそをついてまで売り上げを伸ばそうとする考えは、値下げ競争由来のものなのだろうか。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は「消費者心理をつき、商品を買わせようとする企業には憤りを感じる。しかし、適正な商品には適正な価格がある。だから、企業側だけを責めるのではなく、安いからといってすぐに飛びついた自分の心にも隙があったことを反省すべきである。自分で考え納得した上で商品を買う、契約する方がいい」と言っていた。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

話し合う前は、これは完全に企業に非がある、と思っていた。しかし、母の意見を聞いて、私たちにも非があるのだと気づかされた。現代ではさまざまな情報が飛び交っている。その情報をうのみにしているがゆえにこの記事のようなことが起こるのだろう。今の私たちに必要なのは疑うことではないか。企業の広告に限らず、自分の目の前にある情報をまず疑ってみる。よく考えた上でその情報が信頼できるものなのか、判断するのは自分なのだ。そしてもう一つ大切なのは、情報がいかに私たちの生活に影響を及ぼす存在なのかを知ることだ。行き過ぎた広告、つまりうその情報は企業の売り上げを伸ばす。それが情報が企業に及ぼす利益だ。しかしその背景では、うその情報が多くの人、全世界に影響しているかもしれないのだ。インターネットが普及している現代、それは事実といえる。はたして情報を発信する人は、その重みに気づいているのだろうか。今一度情報と向きあうべきだ。