第8回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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大阪市立開平小学校 6年 須藤 花音(すどう・かのん)さん

意見を聞いた人:父

記事見出し

御巣鷹 520の灯(読売新聞2017年8月13日付朝刊)

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

私がこの記事を選んだ理由は、昨年の夏、家族での夕食のときに日航機墜落事故から31年というニュースが流れ、父が家族に、幼いときに間接的に経験したその事故について話してくれ、その内容が想像をこえて身近に感じられたからです。記事を読んでいくうちに、今年で32年もたっているけれど、残された家族には年月など関係なく、逆に毎年その日が来るたびごとに、被害者家族の心に新しい傷を刻んでいくようでとても悲しくなりました。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

父にはお兄さんがいて、そのお兄さんの親友が32年前の事故で不幸にも亡くなられたそうです。父は「よく昔は家に遊びにきて、当時小学1年生だったパパにもかまってくれて、一緒にいろんなことをして遊んだのに」と言って、これ以上は何も言いませんでした。けれど私には、その言葉や表情で父の思いが伝わってきました。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

32年前に起きたこの悲しい事故が、今回の機会を通して私の中ですごく最近、身近に起こったかのように感じられました。普段なら気にも留めなかったかもしれません。私たちは、ニュースで流れているいろいろな事故に、悪い意味で慣れ過ぎている怖さも同時に感じられました。事故に大きさなどないと思いますが、32年前に起きた事故が今でも報道されているということは事故を知らない世代の人たちに知る機会を与え、それを次の世代に伝えていかなければいけないからだとも思います。まだまだ小さい私ですが、こんな私でもできることはあります。父とこの事故について話した最後に、私は父に思い切って言いました。「来年の8月12日には、新聞の記事の人たちみたいに私も花をそえにいきたいから、パパも一緒に行こうよ」と言うと、父はにっこりとほほ笑んで私の頭をなでてくれました。