第8回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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(兵庫県)愛徳学園高等学校 2年 髙井 優花(たかい・ゆうか)さん
意見を聞いた人:曽祖母
記事見出し
生還 話せぬ海軍一家 語り継ぐ 受け継ぐ 戦後72年(読売新聞2017年8月13日付朝刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
毎年、この時期になると、戦争の記事を多く目にする。私がこの記事を選んだのは、あることがきっかけで、5年前になくなった曽祖父の備忘録を見つけたからだ。そのノートには、戦争の体験が断片的につづられていて、読み終えると私は無力感に襲われた。人間が人間であるための大事な何かを押し殺してでも、生きることを選ばなければならなかった時代に生きた人たちの心の叫びが聞こえてきた気がした。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
曽祖母に話を聞いた。曽祖母は、「思い出しただけでも体が震える。食べ物もなく、いつ空襲警報が鳴るか分からず、おびえながら毎日を送っていた。だから、日本が負けたと知ったとき、気が抜けてその場から動けなかった」と言っていた。最後に「でも、これでやっと怖い思いから解放されると安堵(あんど)した」とも言っていた。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
今、私は何不自由ない生活を送っている。そして先生方や友達に囲まれて学校生活を平穏に送っている。それは分かっているのに、つい不平や不満を口にする。どのことも当たり前だと特別に疑問を持つことなく毎日を送れているのは曽祖父や曽祖母のように、この国を愛し、この国のために命をかけて戦ってくれた多くの先祖の方々の尊い命の犠牲の上に成り立っていることをあらためて知った。戦争を語り継ぐ人が少なくなっている今、それを受け継ぐべき戦争を知らない私たちは何をすべきなのだろう。この記事の中にそれを見つけた。「知識ではなく知恵を持て」という言葉だ。知恵をはたらかせ、二度と戦争を起こさないようにと次世代の私たちに平和を託した思いなのだと思う。そのバトンをしっかり受け取り、また私たちの子供の世代に渡していく、そんな役目を果たせる私でありたい。