第8回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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東京学芸大学附属大泉小学校 6年 石野 美宙(いしの・みそら)さん
意見を聞いた人:妹
記事見出し
「家族」に感謝 福島・大熊(毎日新聞2017年9月5日付夕刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
夕刊の1面に載っており、「家族」に感謝を伝える記事かと思い、ワクワクしながら読みはじめました。安楽死という文字が飛び込んできたとたん、私はゆっくりと声に出して読みました。「ぶうー、ぶうー」と書かれているところから、私は涙があふれ、読むことがつらかったです。命とは何か。安楽死とは何か。私はお布団に入ってからも、ぐるぐるとこの記事の悲しい決断がかけめぐり、朝を迎えました。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
妹は、「安心の安に、楽しいの楽を足しているのに、どうしてその次に死という漢字がくるの?ぶうー、ぶうー、と悲しそうに、つらそうに、苦しそうに、助けて、助けて、まだ生きていたいよ、ぼくは元気だよ、と泣いているのに、安心で楽しい死、というのは人間の勝手な思いだね」と泣きました。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
私も妹も、乳製品やお肉が大好きです。食事のとき、必ず手をあわせて「いただきます」、食事が終わると「ごちそうさまでした」と言うように両親から教えられ、その通りにしてきました。私と妹は、なぜ、合掌をするのか、合掌にはどんな意味と思いがこめられているのか話しました。感謝の心、申し訳ないという気持ち、とむらいの意味。でもそれは命を犠牲にした動物に伝わっているのか。言葉が話せなくても、育てている人には分かる、と聞きます。牛がおなかの中にいるとき、生まれたとき、大きく育ったとき、そして旅立つ日。池田さんはどんな思いだったでしょうか。声をかけ、優しくなで、まるで子どものように大切にしていたと思います。獣医師が薬剤を打つ瞬間の牛の目は、何を見ていたのでしょうか。「ぶうー、ぶうー」の悲しい声は、3月11日のあの日に届くのでしょうか。命の重みは、生きとし生けるものすべてにあるはずなのにね、と妹と話しました。