第8回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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大阪桐蔭中学校 2年 福田 吉孝(ふくだ・よしたか)さん
意見を聞いた人:母
記事見出し
幼き鼓動 つないだ 脳死男児の臓器 提供決断(毎日新聞2017年6月18日付朝刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
この男児の両親は、なぜ息子の臓器提供を決断したのだろうと興味を持ちました。脳死状態で心臓はまだ動いているのに臓器を取り出し、死なせるのはどんなにつらい決断だろうと思ったからです。でも記事を読み、困っている人を助けられる自慢の息子に誰かの命を助けさせてやりたいという息子への深い愛情によって決断されたことがわかり、心を打たれました。15歳未満からの臓器提供が少ない理由について知りたいと思いました。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
母は、「この両親は息子のためにも臓器を提供された人のためにも素晴らしい決断をしたのは間違いないけど、こういう決断ができる親は日本ではごくまれで、単に愛情だけでなく大変な勇気と深い知識がいると思う」と言っていました。日本人は外国人と違い、脳死が人の死であるという考え方になじんでいないからだそうです。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
日本では海外に比べ15歳未満のドナー数が極端に少なく、子供の脳死移植が難しくなっている理由を調べて解決策を考えてみました。2009年7月に改正臓器移植法が成立し「脳死は人の死」と定義され、15歳未満からの臓器提供が家族の承諾があれば可能になりましたが、母が言うように日本人の多くはこの考え方にまだなじんでいないと思います。脳死は人の死であるという考え方を学校教育や啓発活動によってもっと普及させなければならないと思います。小児の脳死判定が成人と異なり難しいことも理由の一つです。脳死判定ができる専門医を増やす必要がありますが、脳死判定医の責任の重さを軽減させるシステム作りも重要だと思います。そのため、家族と脳死判定医や主治医との良好な関係を作る移植コーディネーターを増やす必要があるとぼくは考えます。移植コーディネーターによって家族への情報提供や精神的ケアを充実すればドナーはもっと増えると思います。