第7回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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東京都立小石川中等教育学校 中学3年 林 しなの(はやし・しなの)さん
意見を聞いた人:妹
記事見出し
「点字ブロック遮る柱 視覚障害者転落」(産経新聞2016年8月20日付朝刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
この記事を読み、目隠しをして学校の周りを歩いた授業を思い出した。一歩を踏み出すことさえ不安と隣り合わせだった。視覚障害者にとって、ホームドアのないホーム端を歩くのは恐ろしいことだと思う。この痛ましい事故は、社会的弱者といわれる人々の生活の大変さを表してもいる。障害の他にも重い病気や価値観の違いに苦しむ人々がいる。より多くの人々が過ごしやすい社会をつくるにはどうしたらいいのか、考えてみようと思った。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
日頃から補助犬や障害者について調べている妹に感想を聞いた。「少しの人のためにたくさんの人が頑張らなきゃだから、解決してもらいにくいよね。目の見えない人が一番解決を願っているけど、一番行動するのが大変でもあるもんね。実際には駅の人が頑張らなきゃだけど、自分たちには何ができるんだろうね…」
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
妹の話で、社会における弱者・少数派の苦しみは解決が難しく、多くの協力者を必要とするのだと分かった。考えれば彼らを支える団体は数多く存在しており、ポスター、テレビ、新聞、道端、至る所でその存在を知ることができる。しかし今なおこのような事故が起きるのは、人々に「知っている」以上の「関心」が欠けているからだと思う。私は今初めて「関われるのに関わろうとしなかった」自分に気付いた。これまであらゆる情報を目にしていたのに、具体的な行動はしてこなかったということだ。妹の「自分たちに何ができる…」との問いに今なら少し答えられる。私の気付きを新聞に投稿し、実際に行動すること、その後応援の輪を広げる努力をすることを提案する。もちろん私も実践する。個人にできることは決してゼロではない。今、一つ種をまけば将来増えるかもしれない。亡くなった男性が少しでもうかばれることを願う。