第7回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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熊本市立白川中学校 2年 窪田 絢水(くぼた・あやみ)さん
意見を聞いた人:母
記事見出し
「『つらい時こそ、笑って』 『笑いヨガ』取り組む西嶋さん」(熊本日日新聞2016年5月1日付朝刊)
授賞理由
4月の大地震に遭遇した熊本県の窪田さんは、心臓病を患いながら「笑いヨガ」の普及に取り組む熊本市在住の男性を紹介する記事に出合った。
被災者に向けた一方的な頑張れという言葉には違和感を抱くが、「顔晴る」(がんばる)と別の漢字をあて、「つらい時こそ、笑ってほしい」という男性のメッセージには心から共感する。記事を読んだ母は、苦しみを乗り越え、笑顔を習慣化する男性の努力に尊敬の念を持ったと話す。母との対話で「震災のつらさが和らぎ、熊本復興への階段を上れた気がした」と気持ちにも変化が表れ、避難袋に家族や仲間と笑い合っている写真を入れてはどうか、との考えを持つに至る。
つらいときこそ希望を届けようという姿勢がすばらしい。日頃から家族の存在や、真に残しておくべきものは何かということを深く考えており、笑顔の大切さという、具体的でいつでも誰でも取り組める提案にまとめあげた点が高く評価された。
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
余命宣告を受け被災までされた西嶋さんの「つらい時こそ、笑って」という言葉は、地震で傷付いた私の心の奥深く響いた。震災後、多くの人から頑張れという言葉をもらったが、私にとっては今頑張っている精一杯の努力が足りていないと言われているようで、とても悔しかった。しかし、「顔晴れ」だと印象がまるで違う。前向きに受け止められた。「生きているからこそ笑える」、そう思うことで励まされ、心から共感ができたこの記事を選んだ。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
母は、命の危険を感じた震災後、とても笑顔になどなれなかった。だからこそ、西嶋さんの笑顔には、計り知れない苦悩と精神力の強さを感じる。苦しみを乗り越え、笑顔を習慣化する努力と、それを広める行動力を心から尊敬する。多くの笑顔が西嶋さんの生きる充実感となり、前を向く原動力になっているのでは、と言っていた。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
笑いヨガを、今まで知らなかった。実際大きな余震が続き、このイベントに参加はできなかったが、多くの人がこの新聞記事を読み、震災直後に私同様とても励まされたと思う。西嶋さんのように、自分が楽しみ、周りを明るくさせ、どんなときも笑顔でいる勇気は、なかなか持てるものではない。しかし、自分が一歩前進することで、必ず誰かのためにもなれるという西嶋さんの強い信念は、私に連帯感を感じさせた。また、今回改めて母と話し合ってみることで、震災のつらさが和らぎ、熊本復興への階段を上れた気がした。「顔晴れやかに声を掛け合い助け合う」明るい笑顔の連鎖は、被災者の精神面を支える強い土台となる。今後、減災や防災の意識をより高め、避難袋を用意する際には、水や食料等と一緒にぜひ自分が家族や仲間とともに笑い合っている写真を一枚入れておいてほしい。つらく苦しいとき、それを乗り越える力を与えてくれるのは、誰より愛する人の笑顔なのだから。