第6回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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大阪府立春日丘高等学校 1年 雜賀 亜以子(さいか・あいこ)さん
意見を聞いた人:母
記事見出し
主役はガザの子 NPOが映画(朝日新聞2015年8月18日付夕刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
私がこの記事を選んだ理由は、東日本大震災の被災地での支援を基にした、戦争地域での支援に興味を持ったからです。幼い少女が、粘土で血まみれのお母さんを作り、敵国に死を、と叫んだという内容に心が痛みました。心のケアがいかに重要かわかりました。しかし、戦争を経験していない人が自分の伝えたいことを母の声とした内容については、子供たちの心の傷は、単純な美しい言葉で癒えるものなのかと疑問を感じます。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
障がい者やその家族を支援している立場の母は、「過酷な体験をしている当事者にそうでない者からのメッセージがそう簡単に届かないことは確かです。けれども憎しみだけでは疲れてしまう。『愛』の存在を知ってもらうこと、いつかそれが心に届けば、心のケアへの一助になるのでは」と言っていました。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
私は、戦争や震災を経験したことがなく、ガザや被災地の子供たちが映画のメッセージをどんな思いで受けとめるのか想像しかできません。私が心に深い傷を負った立場ならやはり、「愛」や「勇気」という言葉を素直に受け入れられないと思います。しかし母の意見をきいて、心のケアの難しさが改めてわかったとともに、「それでもいつか届けば」という思いで支援を続けることが、少しでも良い結果につながることを知りました。私は今夏、学校で募集のあった東日本大震災の被災地での復興支援プロジェクトに参加しました。活動のなかで国連政務官の方の「『一瞬で全てを失う』という津波の被害は戦争の被害と同じ」というお言葉を知りました。被災の経験を、戦争や災害の被害者に対する共感と、精神、物資の両方の支援につなげていくべきだと思います。私は将来報道に関わる仕事について、世界の現状と、日本が支援できることがあることを日本の人々に訴えかけていきたいです。