第6回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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(愛知県)椙山女学園高等学校 2年 加藤 真子(かとう・まこ)さん
意見を聞いた人:母
記事見出し
やっと照子に会えた 消息不明のいとこ 慰霊碑に名前(中日新聞2015年8月9日付朝刊)
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
強烈な文字のインパクトと、高井さんの不安な表情の写真が真っ先に飛び込んできて、この記事を選んだ。原爆の人に与える影響は、被爆によっての死、病気だけではない。被爆を理由に差別されることもあるのだと衝撃を受けた。そんな経験がありながら、被爆を告白することは相当勇気のいることだろうと思う。私たちはこの原爆体験、照子さんのこと、高井さんの人生を忘れてはならない。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
17歳といえば娘と同じ、夢も希望もあふれる年代で、このような体験をし、絶望の底にいた苦しみは想像を絶する。被爆を訴える記事の中には、被爆のおどろおどろしい体験の記事が多いが、このような何気ない、しかしとても大切な日常が奪われる恐ろしさがあることを感じた、と母は語ってくれました。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
原爆は、一瞬にして人の営みを奪うもの、と思っていたが、実は違う。原爆は最初のインパクトが強く見え、実際に強く恐ろしいものだが、本当の恐ろしさは、じわじわと水面下で傷を広げていくところにあるのではないだろうか。原爆の本当の毒、放射能が目に見えないように、本当の恐ろしさはあまり表にでてこない。高田さんがおっしゃっていた、被爆を理由に結婚を断られるつらさ、被爆という恐ろしい出来事さえ隠さなければ生きていけない現実、じわじわと襲ってくる原爆症の恐怖…。今でもこの日本に大きく傷を残す原爆、そしてそれを生んだ戦争の恐怖や悲しみを勉強したり、調べることはできても、本当に理解することはできないと思う。本当の恐怖や悲しみを理解できるのはその戦争の中にいた人だけだと思う。だからこそ私たちは、その戦争についてたくさんのことを知り、二度とこの悲しみを作り出さないように後世に伝えていくことが大事なのではないか。