第6回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

  1. NIEトップ
  2. NIE月間・いっしょに読もう!新聞コンクール
  3. 第6回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

高知県香美市立山田小学校 4年 三浦 友愛(みうら・ともえ)さん

記事見出し

「原発避難者の手業 欧州に」河北新報 2015年9月3日付朝刊

授賞理由

東京電力福島第1原子力発電所の事故で避難生活を送る福島県の人々が作る民芸品が、欧州で注目されている。原発事故や東日本大震災からの復興に向けた人々の思いを取り上げた記事を、被災地から遠く離れた高知県に住む三浦さんが見つけた。
日ごろ読むことのない東北の地方紙に掲載されていた、復興に向けた人々の思い。三浦さんは、記事と夏休みに訪れた広島での経験とを重ね合わせ、遠く離れた地域でも復興への思いは変わらないことに気付く。「頑張る人たちのことを胸に留め、自分の持てる力を託すことが大事」という母の言葉を受け止め、「遠い高知から心は近くに『一緒に頑張ろう』と応援したい」と気持ちをつづった。
記事から福島の人々に思いをはせるにとどまらず、実際に訪れた広島で学んだことを結びつけ、考えを深めた点が高く評価された。母の言葉を踏まえた小学生らしい素直な感想からは、家族といっしょに新聞に親しんでいる様子がうかがわれ、HAPPY NEWS賞にふさわしい。

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

私がこの記事を選んだ理由は、記事を読み、おおちゃん小法師と布草履の写真を見たときに、人のぬくもりと復興に向けての福島県の人々の生きる力を強く感じたからです。4年半前の東日本大震災で家族や家など大切なものを一瞬で失い、悲しみに包まれたと思います。けれど、多くの人に精神面でも支援してもらい、やっと立ち上がることができたことの感謝の気持ちを込めて民芸品を作り、世界に発信しようとしたことはすばらしく、うれしくなりました。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は「東日本大震災から4年半過ぎたけれど、まだまだ復興には多くの時間と人手が必要だと思う。一人の力は小さいけれど、互いに励まし合い両手をつなぎ合わせていくことで、復興への強固な土台を築いていくことができる。七転び八起きの精神で頑張る東北の人たちのことを胸に留め、自分の持てる力を託すことが大事」と言いました。

(3)話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

夏休みに広島の原爆の子の像を見に行ったときに、千羽鶴で平和をモチーフにした絵を見ました。その絵は千羽鶴一羽一羽に平和を願う気持ちが込められ、明るく大きい太陽に向かって手を差しのべ、ハートを中心に人と人との手で支え合いつながり、その下に大きい平和な地球が保たれている作品でした。母が用意してくれた河北新報の題字の下には、「再生へ心ひとつに」とあり、私は広島と福島は遠く離れているけれど、原爆や大震災から復興しようとする思いは一緒なんだと思いました。そして、おおちゃん小法師は何度倒れても何度でも立ち上がっていく強い心を表し、布草履は支援物資で届いた心のこもった衣類を再利用して作られ、力強く立ち上がる両足を温かく包む草履へと再生されました。私は河北新報を読み復興に向けて頑張る福島の人の気持ちがよく分かったので、遠い高知から心は近くに「一緒に頑張ろう東北の人へ!高知より」と力一杯応援したいです。