第6回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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(福岡県)西南女学院中学校・高等学校 高校1年 中野 望愛(なかの・のあ)さん

意見を聞いた人:父

記事見出し

「安保法案 読者の声」西日本新聞 2015年6月11日付朝刊

授賞理由

集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法案(9月19日に可決・成立)に対して反対の意見を持つ福岡県の中野さん。賛否の分かれるこの問題を、人々はどのように考えているのか知ろうと思い、読者の多様な声を取り上げた記事を選んだ。
賛成する人の気持ちが分からなかったという中野さんだが、相手に日本の考え方が通じるとは限らないという父の意見を聞き、自分と異なる考えにも一理あると考えるようになる。その上で「やはり反対。日本の考え方で平和が守れなかったとしても、戦争をするということは絶対に平和とはつながらない」と自らの考えをつづり、「法案についてもっと知り、後悔しないよう政治に参加していきたい」と決意した。
多様な意見が掲載された記事を見つけ出し、自身の考えを深めるとともに、異なる意見にも耳を傾けながら、自らの意見を明確に主張した点が高く評価された。話し合いなどを経てたどりついた、社会に関心を持ちたいという結論にも好感が持たれた。

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

今、世の中を騒がせている安全保障関連法案ですが、この法案に関してみなさんがどのような意見を持っているのか知りたいと思い、この記事を選びました。私は、安保法案に対して反対の意見を持っています。なぜなら70年前に日本が誓ったことを破ろうとしているからです。一度戦争をして失敗している日本だからこそ、その経験を強みにもう二度と戦争をしないとした方が良いと考えます。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

父は、法案成立に賛成だと言っていました。日本国憲法の理念が他国には理解できないと思うからだそうです。その日本の考え方が通じる相手と戦争をするわけではないので、日本が持つ理念は影響されないとも言っていました。また、今の日本人の考え方で平和や秩序が守られるとは考えない方がいいと言っていました。

(3)話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

私と父の意見は全く別の意見でした。私は最初、戦争はしてはいけないもの、やってはいけないことという考えばかりが浮かび、安保法案に賛成する人の気持ちがよく分かりませんでした。しかし、父の考え方を聞いてみて確かに私たち日本の考え方や理念は戦争する相手に理解されるはずもなく、何もしない今の考え方で日本の平和は守られるのか?と考えるようになりました。考えてみて、やはり私は安保法案について反対です。安保法案は戦争をするという結論に達してしまいます。日本の今の考え方で平和がもし守れなかったとしても、戦争をするということは絶対に平和とはつながらないと思います。記事の最後の行にこんな言葉があります。「私たち戦争を知らない世代にできることは、まず安保法案に意見を持つこと。後々の後悔は無関心だった私たちにある」。安保法案についてもっと知り、後悔しないように政治に参加していきたいです。