第5回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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山口県立山口高等学校 1年 岡村 智聖(おかむら・ちさと)さん

意見を聞いた人:母

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

この記事を選んだのは、動物虐待が「器物損壊」という罪であることに異議を唱えるためだ。物は「1個」か「一つ」、犬は「1匹」か「1頭」と数える。命あるものに「物」というのは絶対におかしい!虫を卑しめて言う語に「虫けら」というのがあるが、その虫でさえ「1匹」と数えるではないか。それに盲導犬は人の目であり、手足だ。その犬を刺すということは、全盲の男性を刺すことに等しい。私は、犯人に対し「殺人未遂罪」を適要すべきだと思う。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は「どうしても器物損壊罪でしか罪が問えないなら『物の価値』を問うべきよ。盲導犬1頭を育てるのにかかるといわれている3百万円と治療費を合わせた金額、そして、全盲男性の精神的苦痛に対する慰謝料は別に払わんといけん。でも、やっぱり、どう考えても『器物損壊』はおかしい!法を作るべきよ!」と言っていた。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

そもそも動物を「物」として扱う法律はおかしい。それに加え、盲導犬は、盲人の目、手足だ。盲導犬を刺すということは、盲人を刺すことに等しい。刺された盲導犬が階段等、危険な所で倒れたら盲人の命も危険にさらされる。故に今回の事件は「殺人未遂」だと思う。それにこの件を「物」として片付けるという行為は障害者への「いじめ」だと思う。犯人は盲人であることや盲導犬が何をされても動じないことを分かってやっている。そして、被害者である盲導犬は盲人の目であり手足だ。それを傷つけられたのに「物」としてしか扱ってもらえない事実は、政治家がいかに障害者に対し、無関心であるかということを表している。平成14年に身体障害者補助犬法なるものが制定されたが、世の中へ理解を求める前に、無理解な法律を改めるべきだと思う。盲導犬、聴導犬、介助犬、警察犬等々・・・犬たちは人のために献身的に働いてくれている。そんな彼らに敬意を払い今すぐ法を改めるべきだ。