第5回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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岩手県立不来方高等学校 3年 立川目 佳子(たちかわめ・かこ)さん
意見を聞いた人:父
(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
私にとっての道徳の授業は特別なものであった。道徳が教科でなかったことすら知らなかったため、記事を見たときにとても驚いた。ただ、「価値の押しつけ」という言葉に違和感を感じ、もっとこの記事について掘り下げてみたいと思った。私は、中学生のときの道徳は、いつも疑問から始まる授業だったために、結論はいつも自分の中で完成されていた。それゆえ、道徳の授業は、「価値の押しつけ」とは考えたことがなかったのである。
(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
「佳子が小・中学生の頃にも道徳の授業はあったよね。でもそれが教科になるということは、それだけ小・中学生に起こりうる問題が増えているんだろう」と父は言っていた。しかし、父はそれだけではなく、もしかしたら教科ではなかったことから、生徒の無関心や先生の怠慢が起こる可能性もあるのではないかと考えていた。
(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください
もし父の考えが本当であるならば、道徳の教科への格上げは賛成である。青少年における犯罪やトラブルが絶えず、「道徳」の重要性が認知されてきた今日で、一番恐ろしいのは「青少年の道徳に対する無関心」ではないか。ただ、道徳を今までより確実に学ぶことができるようになったとしても、教科書に載っていることが「正義」で、その逆が「非道」とし、生徒・児童が疑問を抱いて理解しきれなかった場合には良い評価が与えられない、といった授業では、「価値の押しつけ」どころか道徳の授業は意味を持たない。他人と議論を交え、真の答えが出なかったとしても常に意味を求め、一人一人が考えをもつことが、道徳の授業の理想であるべきと私は考えている。ネット上のトラブルに巻き込まれる子ども、イジメに関係している子どもたちは、道徳で何を学んだのだろうか。道徳が教科になることをきっかけに、「道徳」を深く考える子どもが増えることを願っている。