第5回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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福岡市立香椎第1中学校 2年 橋谷 一滴(はしたに・しずく)さん

意見を聞いた人:母

(1) この記事を選んだ理由と、記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

この記事を選んだ理由は、戦争などで、疎開をするのは人だけだと思っていたけど、図書疎開という見出しを見て、おもしろそうだなっと思ってこの記事にしました。記事を読んで思ったことは、例えば疎開した本の中に福沢諭吉の福沢家の寄贈した蘭和辞書などがあったり、本のために何回も図書館に行った人が何人もいたりして、図書疎開はたいへんだけど、いろいろな情報を今に残してくれた大切なものだなと思いました。

(2) 家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は「戦時下、思想信条をも取りしまられている状況下で、それでも次代のために『本を守る』という職業信念を貫かれたたくさんの司書の方々に頭が下がる。その活動は歴史的財産の保存という観点もあるが、読書という市民の日常を守るという尊い行動だった。逆に言うと戦争はあたり前の日常を奪うものだ」と言った。

(3) 話し合った後のあなたの意見や提案・提言を書いてください

第2次世界大戦中、たび重なる空襲の中で本が守られたのは、大分県立図書館の山室館長、福岡県立図書館の大田館長、都立日比谷図書館の管理係長の秋岡梧郎氏と書いてあるが、他にもたくさんの司書の方々の働きがあって、日本の本は守られたのだろう。記事の中にがれきの中で本をひろうパレスチナの少女の写真、ナチスドイツの強制収容所で、ユダヤ人が、ひそかに図書室を作った逸話もあったように、人間にとって図書はかけがえのないものである。図書館があり、本があり、読書ができることはかけがえのない日常。図書を守ることは、日常を守ることとも言える。戦争は、単に国と国との戦いだけではなく、私たちのあたり前の日常でさえおびやかしてしまう。私はこの記事を通して、今普通に本が読めることは、今が平和だからできることであり、日常生活を大切にしたいと思った。