第3回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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芝浦工業大学柏高等学校 1年 河邊 美樹(かわべ・みき)さん

意見を聞いた人:母

(1)この記事を選んだ理由を書いてください

原発反対のデモが行われているこの猛暑の中、たくさんの人が普通にエアコンを一日中かけ、自然の条件に逆らって安泰な夏を送っている。近所の人は原発全廃なんて無理よね、と立ち話していた。政治も福島から何も学んでいないし、苦しんでいる人々に感情移入もしていない。そう思っていた時にこの記事を見つけた。

(2)記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

太平洋戦争、原発、人災、公害、全てカテゴリーが違う話題ですが、深い深い部分で根っこがつながっていると思いました。全て「現実」のはぐらかし、人間本来の自己防衛能力、危機に直面した時にその現実を否定し、皆と同じ行動の範囲内にいて安心安全と錯覚する日本人の意識改革の必要を強く感じましたが、内部告発をすると答えた学生の増加は、上田さんの言う通り、日本社会の変え時、チャンスなのだと思います。

(3)家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

この夏もエアコンを使いませんでした。我が家はまだ若く体力もあるので、節電した分はお年寄りや幼い子、病気の方のいるご家庭が停電を心配しないで使えるようにとの思いからです。また、原発には反対で、コントロールできない物に手をつけることはしてはならないと考えています。反対という声を上げるには、伴った行動も必要です。洗たくも夜遅くにしています。全ては「現実」を直視した結果です。

(4)話し合った後のあなたの意見や提案を書いてください

東日本大震災で「想定」という言葉に意味がないということを実感しました。原発について、事故が起こるまで何一つ考えたことはありませんでした。電気も水もガスも全て自然の中にある有効資源、豊富に使えるのは日本が先進国だからと夢の中の世界で暮らしていました。今、太陽光や風力、地熱発電など、脱原発を実現できる方向へ日本のベクトルは向いてはいますが、社会を現在進行形のまま、エネルギーだけを変えようという点に不十分さがあります。つまり「後退」という進歩を地球規模で実現していく必要があるのです。時間を30年巻き戻し、その時代に現在の最先端技術を組み込みます。加えて、教育に力を入れて、不正を許さないという社会をつくっていくという精神論を教えます。そのような精神論にこそ、たくさんの問題を解決する糸口があると思います。政治家の人々は、そこを理解していないように思えます。