第3回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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八代白百合学園高等学校 3年 嶋村 菜摘(しまむら・なつみ)さん

意見を聞いた人:祖母

(1)この記事を選んだ理由を書いてください

私の曾祖母が、現在認知症ということもあり、この記事は私にとって、とても身近な話題であったから。そして見出しに書かれている「急増」の文字に興味をひかれたため。しかしその一方で、この二文字から認知症に対して恐ろしさを感じたから。

(2)記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

認知症の高齢者の人数、割合が想像以上に多かったので、とてもびっくりした。そして、厚労省の従来の想定を大きく上回るペースで急増していることもまた、この記事を読んで初めて知った。しかし、従来の想定のデータは古く、現状を反映していないことから、認知症に対する対応、対策に甘さがあったのではないかと私は思った。

(3)家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

家族の誰かが認知症になるということは、本人そして家族にとって、つらく、耐え難いことであるのを経験しているため、認知症の方への対応はもちろん、本人やその家族に認知症を理解してもらうために国や自治体が対策をとることも重要である。初期の段階から手厚くその人を支援することで、従来よりもっと充実した対応ができるのではないか。

(4)話し合った後のあなたの意見や提案を書いてください

認知症を完治させることは現代の医療では不可能なため、いかにして症状の進行を遅らせるかが重要だと思うが、急増していることを踏まえると、「在宅で介護するには限界がある」と考える家族が増え、医療機関や特別養護老人ホームの需要が今以上に高くなるのではないかと思った。実際、私の曾祖母も同様の理由で、特別養護老人ホームに入所することとなった。自分が住み慣れている家を離れることは本人にも、家族にとっても悲しいことではあるが、そうせざるを得ない家庭も少なからずあると思うので、対応できる医療機関の充実や医療従事者の増員はとても重要な対策になるのではないかと私は思う。そして高齢化が進行する日本において、医療機関だけでなく地域においても結束の強いコミュニティーをつくることによって、一人暮らしのお年寄りでも、初期段階の症状から集中的に支援できる環境が自然と整っていくのではないかと考える。そうした試みによって、たくさんの人が笑顔になってほしい。