第2回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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鹿児島市立鹿児島玉龍中学校 3 年 木田 夕菜さん

意見を聞いた人:母

(1)この記事を選んだ理由を書いてください

私は電機店で買い物をした時、ふいに、お年寄りの方に「それは地デジのチューナーですか。」と声をかけられた。地上デジタル化からもう1週間もたった日のことだった。その時、数日前に読んだ「難民届かぬ支援」という記事の見出しが私の脳裏によみがえってきた。

(2)記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

5年前から毎日のように広報されてきた地上放送のデジタル化。デジタル化されることで多くのメリットがある。だから、最初、新聞記事を読んだ時、「地デジ難民」という言葉をあまり身近に感じていなかった。しかし、電機店で店員さんから「チューナーの在庫はもうありません。」と言われ、寂しそうに帰って行くお年寄りの背中を見て、「地デジ難民」の問題は、私が思っているよりもずっと身近で深刻な問題なのではないかと思えた。

(3)家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

母は、知人でデイサービスの施設で働いている方が、「お年寄りには『地デジ化』という言葉の意味や、どう対応するべきかということが、テレビのCMだけでは伝わらずに、突然、テレビが映らなくなって戸惑っている人がたくさんいる。」という話をしてくれたと教えてくれた。母は「私たちが当たり前だと思っていることが、本当はあまり知られていなかったり、理解しているつもりでも私たち自身、実はよくわかっていなかったりということも多いんじゃないかな。」と私に語ってくれた。

(4)話し合った後のあなたの意見や提案を書いてください

私は「地デジ化」は、すべての人々のためになることだと、漠然と考えていた。しかし、新聞記事をもとに、改めて調べてみると、視覚障害者団体が地上デジタル化に向けて、障害者からテレビを遠ざけないような配慮を要望していたことを知った。また、テレビの視聴の仕方は一様ではなく、それぞれ異なっているのだということを知った。私は、その後も「地デジ化」に関する記事には目を留めて見るようにしていた。この記事の1か月後、電話相談件数が1日3000件にまで減少したことが掲載されていた。地デジ化完全移行時の12万件からすると、ずいぶん減ってきている。しかし、私はそれを「まだ毎日3000人の人たちが、テレビを視聴できずにいる。」と考えたい。テレビは災害発生時、すべての国民の命を守るためのライフラインにもなる。だから、視聴を望むすべての人が見られるようになるまで、国や企業は支援を続けてほしいと思う。この記事は、何か物事が大きく代わる時には、良い面ばかりではなく、ごく少数であっても、それにより不利益を被ったり、悲しんだりする人はいないかどうかに思いを巡らす大切さを、私に教えてくれたのだ。