第2回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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東京都立小石川中等教育学校 3年(中3) 永井 志帆さん

意見を聞いた人:祖父、祖母

(1)この記事を選んだ理由を書いてください

夏休み中、テレビをつけてニュースを見ていると、“原爆”という単語が耳に飛びこんできてはっとした。8月6日だったのだ。私たちは戦争を知らない世代だ。テレビドラマの原爆物語に感じるのは感動であってひもじさでない。戦争について少しでも知りたいと思ったから。

(2)記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

「親が作ってくれた弁当を食べ、空になった弁当箱を持ち帰る。このささやかな日常がどれほど幸せなことなのか――。」という部分にとても衝撃をうけた。メインの部分ではないのだが、この文は本当に今を生きる私たちにこれでいいのか?食べ物をもっと大切にして欲しい、というメッセージを伝えている。飽食な時代であるがゆえに食料の大切さについてもっと知るべきだと思う。

(3)家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

祖父と祖母がこの記事を読んで、最初にいったのは、「そうだね」だった。戦地へ行く十日前に終戦を迎えた祖父や、妹をおぶって空爆から逃げたという祖母にはもちろん豊富な食料などなく、残すなど考えてもみなかったと言う。文にすると平凡だけれど、「戦争はいけない」「食べ物はやっぱり大切」を何度も繰り返していた。またシンボルとなるものを後世に継ぐことも反原爆を伝える大切な手段だと言っていた。

(4)話し合った後のあなたの意見や提案を書いてください

私はよく「嫌いだから」という理由でお弁当を残す。しかし本当にそれでよいのだろうか。昔に限らず、現在でも飢えや戦争で満足に食べられずに死んで行く人がいる。その人たちの命を「関係ない」で終わらせてはいけない。私たちが何かを食べる時、それには多くの命がかかわっているのだ。残すことはそれらの命を尊重しないことでもある。
さて、この命を尊重する方法には、この記事にあるように記念館をつくるという手段もある。遺族が神棚に遺物を飾るのも、遺物を集めて一つの場所に飾るのも規模こそ違うけれど“記念館”であると私は思う。しかし遺族も少しずつ老いていく。老いた時にどうなるのか。今まで保管していた遺物を後世に受け渡せなくなってくるのだ。シンボルを後世に受け渡すことは、反○○と、二度と繰りかえさないという思いを受け継ぐことでもある。人災とも天災ともいわれる東北大震災。地震のこわさを伝え反人災の思いを持ち続けるためにも記念館は良いアイデアかもしれない。