第2回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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静岡県立静岡城北高等学校 3 年 宗野 幸紀さん

意見を聞いた人:姉

(1)この記事を選んだ理由を書いてください

福島第1原発で起こった事故は、同じように原発を抱えている静岡県民として、とても衝撃をおぼえた。大震災から半年以上たった今でもなお最前線で働いている方がおられ更なる事故が起こっていることに目を背けてはいけないと思った。

(2)記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

原発に対する存在の意義や安全性が今回の原発事故で問われることとなった。また、近隣住民の方々への避難指示や、記事のような作業員の方々の事故など多くの弊害を生じさせた。記事には東電の管理体制の甘さとして作業員の被ばく線量の未測定について掲載されていたが、人命をあまりに軽視しすぎる実態が度重なる事故や被害を誘発させてしまったのだと思う。

(3)家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

私の姉は同じ高校生だ。姉が読んだ新聞記事には福島の人口が200万人を下回ったことが書かれていたそうだ。姉が言うには2万7千人もの方が今回の原発事故で県外への転出を余議なくされ、住みなれた故郷を離れたということだった。その他にも風評被害で厳しい生活を強いられた方々が多数出たことや、県外の農作物も放射性物質に汚染され、日本中の消費者が不安を抱いたことなど、多くの間接被害が発生し、さまざまな人が影響を受けたのだと姉は語ってくれた。

(4)話し合った後のあなたの意見や提案を書いてください

私は正直、原発のある静岡県に生まれ育ちながら、その安全性などについて考えたことがなかった。しかし福島第1原発の事故が起きてからとても他人事とは思えなくなった。姉の話を聞いた後、新聞に目を通しなおしてみると、電気会社のやらせ問題や福島の子どもたちの転校問題など様々な問題が浮上していることに改めて気づかされた。人々の生活を豊かにするために建設されたはずの原子力発電所が人々の生活を脅かし、苦しめる結果を招いたことは皮肉だ。しかし、このように危険な原発だがすぐに「廃止」にすることはできない。そこで働かれている方々や多くの電力を必要とする現代のライフスタイルのことを考えれば原発は必要なのだ。日本という土地柄、現在日本のおかれている状況から見ても新たな再生可能なエネルギー源を開拓しなければいけないのは必至だ。技術革新を迫られているのだと思う。私たち若い世代に与えられた使命だと思う。この記事を読んで、いたわしい現実に憤りをおぼえたが、現状をしっかりとらえることで事故を教訓に次世代を担う一員としてより安全な社会を構築していこうという決意ができた。一刻も早く福島第1原発で作業をなさっている方々の安全が確保されることを願ってやまない。