第2回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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(東京都)東京女子学園高等学校 2年 内田 絢子さん

意見を聞いた人:父、母

(1)この記事を選んだ理由を書いてください

日本で初めて「15歳未満」の子どもの脳死判定後に臓器移植が行われた事とその人が私と同じ10代だった事が衝撃的だった。また、今まで全く関心がなかったが今回の事で、臓器移植について自分なりに考えてみたいと思い、この記事を選んだ。

(2)記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください

移植手術の成功を祈って、この家族全員で折った『折り鶴』は、少年を亡くした深い「悲しみ」と、少年が新たに別の人の中で生き続けるという「希望」の象徴なのだな、と胸がしめつけられる思いがした。また、この両親が臓器提供を経験した事で少年の死から立ち上がり、前に進もうとしている姿に深い感動と勇気を感じた。

(3)家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください

今回初めてこの問題で両親と話をしたが、非常に難しいテーマだと思った。父は、子どもを親の意思だけでなく「個」としての人格を尊重して考えるべきで、臓器提供も本人の意思が一番重要だと考えている。一方、母は、頭では提供に同意することが他の人への助けになることだと分かってはいても、我が子の死を目の前にした時、その勇気を持てるか自信がないと言う。

(4)話し合った後のあなたの意見や提案を書いてください

私は親の立場ではないので想像するのは難しいが、自分の子を臓器提供するという事は、とても勇気の要る事だと思う。またこの記事をきっかけに、意思表示である「ドナーカード」について気になり、日本臓器移植ネットワークに問い合わせをしてみた。いろいろな話を聞いた中で特にビックリした事が、ドナーカードは今、コンビニの場合は限定されたところにしか置かれておらず、また「設置料」がかかるという事だ。これからの世代を担う私たち若い人たちにもっとカードが浸透するためには、教育やキャンペーンに力を入れるなど、工夫や努力をするべきだと思う。教育なら例えば、4月の初めの1時間だけでも保健の授業で臓器移植やカードについて扱うというのはどうだろうか。キャンペーンなら、毎年10月にある「臓器移植推進月間」を1か月間最大に利用して、例えば、若い世代に影響力を与えられる国民的アイドルをキャラクターに起用するなどして「ドナーカード」という言葉自体を知らない人たちに、せめて名前だけでも覚えてもらうことは、とても大切な事だと感じている。これからの若い世代の1人として、臓器移植について心に留めながら、これからも考え続けていきたい。