第2回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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仙台市立折立中学校 3年 永野 綺咲さん
意見を聞いた人:父、母
(1)この記事を選んだ理由を書いてください
この震災で私の自宅は全壊しました。突然の出来事を受け止め切れずにいる自分と向き合う中、被災者と呼ばれる事に違和感を覚えるようになりました。新聞報道から被災者それぞれが抱える問題点を考えたいと思いこの記事を選びました。
(2)記事を読んで思ったこと、考えたことを書いてください
記事を読んで一番強く思った事は、同じ全壊世帯でも沿岸部の方々の被災状況は私とは比べものにならないほどのご苦労があるという事です。我が家は壊れなかった家具や衣類等を運び出す事が出来ましたし、普通の引っ越しと大差ありません。津波で全てを失った方々を自立へ導くためには、もっと寄り添うような支援が必要だと考えます。
(3)家族や友だちなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞きとって書いてください
父は震災に影響を受けない職種だったので、もし突然仕事を失ったら大変だったと話していました。母は県の借り上げの賃貸住宅を探したり、役所への手続きや買い出し、引っ越しの準備等、車がなかったらなにも出来なかったと言います。高3の兄と中3の私はお互い受験生なので、自宅再建と入学にかかるお金は大丈夫かと不安です。
(4)話し合った後のあなたの意見や提案を書いてください
我が家は両親と子ども3人の世帯です。2人が受験生で1人は重度の自閉症なので自宅の近くで家を探しました。見つかったのは何年も空き家だった古い家で、腐った畳やトイレを新しくしたりで、義援金の半分は引っ越しでなくなりました。でも、父には仕事があり自宅再建に向けて前向きに考えられます。しかし、仕事を失った人や車を流された人、住宅ローンを抱えている人はどうでしょう。きっと義援金はすぐに底をつき、仮設住宅に入れたとしてもどうやって食べていくのか。自立が健全なのはわかっています。でも、もっと心を寄せて支援しなければ沿岸部の被災者は希望を見いだす事が出来ないと思います。彼らだって自立したいと思っているに違いありません。仕事をすると収入を得るだけではなく、生きている事を実感する事が出来ます。それは何にも代えがたい活力となると思うのです。義援金が出たんだから、あとは頑張りなさいというのは支援として心が通ってないような気がしています。