第1回いっしょに読もう! 新聞コンクール
- NIEトップ
- NIE月間・いっしょに読もう!新聞コンクール
- 第1回いっしょに読もう! 新聞コンクール
選んだ記事を執筆した記者らと記念撮影
第1回「いっしょに読もう! 新聞」コンクールの表彰式が2010年11月6日、日本新聞博物館のニュースパーク・シアター(横浜市)で開かれ、グランプリ、小・中・高校各部門の最優秀賞受賞者が招待された。はじめに新聞財団博物館・NIE委員会の小田尚委員長があいさつ、「受賞者のなかから、新聞記者やジャーナリストの志望者が現れればうれしい」と語り、グランプリと最優秀賞の受賞者4人に表彰状と記念の盾を贈呈した。続いて、影山清四郎・同コンクール審査委員長が「友だちや家族の意見を聞いて自分なりに整理していくと、記事の読み方がより深く多面的になってくる。これからも気になった記事があれば友だちや家族と話し合ってほしい」とコンクールを講評した。
その後、選んだ記事を書いた記者と受賞者との懇談を行った。愛知県豊川市で多くの犠牲者を出した1945年8月の豊川空襲に関する記事を選び、小学校部門の最優秀賞となった名古屋市立極楽小学校4年の岩田泰紀さんは、「広島、長崎の原爆だけでなく、豊川のような小さな町に爆弾が落とされたことを知り、ショックを受けました」「戦争は人が死ぬだけで何の意味もないので二度としない方がいいと思います」と戦争への思いを語り、「みんながあまり知らないけれど大切なことを、たくさん記事にしてほしい」と記者に伝えた。
中学校部門の最優秀賞となった横浜市立あざみ野中学校3年の石井里奈さんは、記事を読んだ感想として「御巣鷹山の事故は25年前の出来事ですが、遺族の方にとっては家族が亡くなった悲しみはまだまだ消えていないのだなと痛感しました」と述べた。また、「取材で一番大切なことは何ですか」と記者に質問し、「まずは現場に行き、その場のあるものを見て耳を傾け肌で感じ、ありのままを伝えることだ」との回答に納得の表情を見せた。
続いて、65年経った今だからと経験を話した3姉妹の満州からの逃避行を伝えた記事について感想を書き、高校部門の最優秀賞に選ばれた昭和女子大学附属昭和高等学校2年の森有希さんは、「私の文章を読んでくれた人が、戦争について考えるきっかけになったり命の大切さを考えるきっかけになったりしたらうれしい」と受賞作に対する思いを語った。日本が他国にしたことを受け止めたうえで戦争を理解したいとの考えは、起きたことすべてを伝えたかったからだと説明し、たった3行の記述から別の側面があることを深く読み取っていると記者も感嘆した。
最後に、宮崎県で発生した口蹄疫問題を取り上げた記事を読み、グランプリに輝いた鹿児島市立鹿児島玉龍中学校2年生の木田夕菜さんは、「朝、父が新聞を読み、その後自分が一面を中心に読み、夜に母がすみずみまで読みます。新聞からいろいろな情報が得られて、それが家族の会話にもつながっています」と、新聞が家の中で大きくかかわっている様子を述べたほか、日ごろから文を書いたり読んだりすることが好きで、いろいろなことに挑戦もしていると語った。
国際メディアセンターを見学する受賞者
表彰式に続き受賞者4人を対象に行った見学ツアーでは、横浜市開催のAPEC首脳・閣僚会議会場内の施設や神奈川新聞社を訪問した。