第1回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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昭和女子大学附属昭和高等学校(東京都) 2年 森  有希さん

意見を聞いた人:母

(1)この記事を選んだ理由を書いてください

 戦後65年でマスコミでも戦争の話題が多く取り上げられていた。私は戦争を知るための番組を見て、もっと戦争について知りたいと思うようになった。以来、戦争に関する記事を積極的に読んだ。幼い命を奪った戦争の悲惨さに強い衝撃を受け、この記事を選んだ。

(2)記事を読んで分かったこと、疑問に思ったこと、感じたことなどを書いてください

 満州から逃避行する中で「子供を泣かすな」と怒鳴られた。我が子が首を絞められるのを同意した上で黙って見ていなければならなかった母親の気持ちを思うと胸が痛む。里子ちゃんがおなかをすかせたまま死んでいき、草むらに放置された光景を思うと無念でならない。その不条理な行いも実行するしかなかったという、戦争が生んだ非人間的な現実に悲嘆と憤りを感じた。

(3)家族や友だち、クラスメートなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞いて書いてください

 母は、満州から引き揚げてきた祖父の話を数年前に初めて聞かされたという。祖父は当時5、6歳で、家族で逃避行した時の様子を今でも鮮明に覚えている。兄弟のある1人がさらわれそうになり、一番上の姉がそれを見つけて母親に告げたことで兄弟は助かった。このような出来事が横行していた中で、祖父が生きて帰ってきてくれたことが今の私につながっているということを、話してくれた。

(4)話し合い後のあなたの意見・感想・提言を書いてください

 私はこの夏、戦争についてセミナーに参加したり、本や新聞、テレビを見たりして多くのことを学んだ。この記事のように、戦後65年を節目に自らの体験を私達に話してくれる人が多くなった。私はこの戦争の悲惨さを受け止め、真実を後世に伝えなければならないという使命を感じた。しかし日本が他国にしたことも受け止めた上で戦争を正しく理解する必要がある。断片的に知ることだけでは誤解が生じかねない。多面的な視点で戦争を考えることが大切だ。人が生き抜くことがどんなに大変かということを身近な人から学んだ。祖父が必死の思いで引き揚げて生き抜いたことで、今の父そして私につながっている。そう思うと人の命は本当に尊いもので、それを受け継いだ私たちは命を大切にしなければならない。そのありがたさに皆が気付けば悲惨な戦争は二度と起こらないだろう。辛い思いをしながら話してくれた戦争体験者に感謝したい。