第1回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作
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鹿児島市立鹿児島玉龍中学校 2年 木田 夕菜さん
意見を聞いた人:父
(1)この記事を選んだ理由を書いてください
宮崎県で発生した口蹄疫は、隣県で宮崎を上回る畜産県である私の住む鹿児島県でも大きな問題だった。4月20日の発生以来、私の周りでも多くの人たちが口蹄疫のために、悩み苦しんだ。4か月ぶりに届いた明るいニュースに私は少し胸をなで下ろした。
(2)記事を読んで分かったこと、疑問に思ったこと、感じたことなどを書いてください
豚肉市場に対する安心や信頼を取り戻すためには、徹底した消毒が必要なのだという。養豚農家の方の話が掲載されていたが、消費者が口にするものであるから、生産農家にとって食に対する安全は最優先されるべきものだと思う。記事によると競り落とされた価格は競りが中止される直前の価格よりも高い値段で取り引きされた。都城を始めとしてこの南九州の畜産地帯が培ってきた信頼は、簡単には揺らぐことのない確かなものだったと改めて感じた。
(3)家族や友だち、クラスメートなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞いて書いてください
私の父は教師をしている。父が言うには口蹄疫が発生した地域の学校では、畜産農家を営む親が、自分の農場への感染を恐れるあまり、子どもに学校を休ませるということがあったらしいと教えてくれた。この4か月間苦しんだのは殺処分や出荷停止でつらい思いに耐えてきた畜産農家の方だけでなく、それにかかわるさまざまな人々が、その人権を脅かされるほどの影響を受けてきたのだと父は話してくれた。
(4)話し合い後のあなたの意見・感想・提言を書いてください
私には口蹄疫の問題は正直、身近に起きていながらまるで対岸の火事のようにしか感じていなかった。しかし、父の話を聞いてから、改めて新聞を読み直してみると、県を代表する観光地である霧島の温泉地域への観光客が激減したことや県内のイベントが次々と中止となったことが連日、新聞でも伝えられていたことに気付き、今回の問題が私たちの生活にも気づかないうちに暗い影を落としていたことを知らされた。私は一つの問題を見る時、もっと想像力豊かにいろいろな面から物事をとらえることが大切だと感じた。今回の再開によってすべての不安が払拭(ふっしょく)されたわけではなく、畜産農家の人々を中心として今後もその苦労や努力は続いていくのだと思う。ただ、この「豚の競り 都城再開」という見出しは、そんな読み手の心を一条の光で照らしてくれている、そんな役割を果たしてくれているように感じた。