地域でも出前講座
北海道新聞社は、札幌市に隣接する北広島市の中央公民館で2年前から行ってきた成人向け出前講座を今年から通年開催(年間6回)に切り替え、5月から記者を派遣している。「新聞を暮らしに生かす講座」とネーミングされた講座で、60歳代を中心に30人が登録し、受講生は旺盛な好奇心をのぞかせている。
NIE活動の柱のひとつである出前講座は、これまで児童、生徒を対象にし、小中高校での実施が大半だったが、「教室を飛び出て地域にも」との考えに立ち、こうした生涯教育支援についても積極的な取り組みを展開していくことにした。
初回(5月11日)は、木谷洋史・紙面審査委員室長が「新聞を読み比べて分かるもの」と題し、東京支社編集局時代に取り組んだ中国残留孤児の来日対面調査などの体験をもとに講演。各紙の社説の主張の違いをはじめ、文化・生活面の作り方の相違などについて記事コピーをもとに分かりやすく説明した。
2回目(7月6日)は、NIE推進センターのスタッフが実践ビデオを披露しながら、新聞活用授業の学習効果などについて話し、「お孫さんたちとの家族対話や地域活動にNIEを役立ててほしい」と要望した。
お年寄りたちからは「記者の取材体験を交え、やさしくお話ししていただき、新聞に一層親しみを感じた」といった、率直な感想が寄せられている。
(藤井正友・北海道新聞社NIE推進センター長)「NIEニュース」第48号