ワークシート

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“教室”と“世の中”をつなぐ新聞ワークシート

 新聞社が作成するワークシートを、10分間の朝学習や、宿題などに取り入れています。これまでに各新聞社から発行されたワークシートをストックして、2週間に一度ほどの頻度で利用しています。また、各新聞社のホームページにアクセスすれば、過去のワークシートも容易に手に入れることができるので、定期的にチェックするようにしています。

 新聞ワークシートは、準備の時間がほとんど必要ないことが大きな利点であり、NIEの入り口として手軽に取り組むことができる格好の教材だと感じています。

 設問のレベルが比較的易しいということも、ワークシートがNIEの入り口として非常に有効である要因の一つです(「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」「どのように」、いわゆる「5W1H」を問う問題、「この記事に関して、あなたはどう思いますか」と、学習者自身の考えを問う問題など)。ほぼ初見の記事を読み解くということも、読解力を培う上でとても有効でしょう。

 扱っている内容も、スポーツ・芸能に関する文化的なものや地元の市町村に関する記事、さらには遠い外国に関する記事など多岐に渡っています。タイムリーな話題ほど子供たちの反応も良く、「この記事知っています!最近テレビのニュースで見たから」「先生、この間ワークシートに載っていた記事、昨日、別の新聞にも載っていましたよ」などという声があちこちから聞こえてきます。さらには、「先生、このワークシートに載っている人、○○くんの親戚だって知っていましたか」と喜々として話してくる子も。子供たちにとっては、どんな記事からでも、「新しいことを知る楽しさ」や「自分の住む世界が、広く世の中とつながっている喜び」を感じ取っているのでしょう。多様な学びの要素が、新聞ワークシートにはあふれています。

 このように、新聞ワークシートがきっかけとなり、世の中に目を向ける児童が多く見られるようになりました。私が担任している学級では、新聞を購読している家庭はあまり多くありません。そういった環境だからこそ、新聞ワークシートをきっかけに上記のような反応が見られることは大変喜ばしいことであり、取り組みを続けることの意義を感じています。

 学びの場である“教室”と、“世の中”をつなぐ。新聞ワークシートは、まさにその架け橋となりうる教材です。

筆者・プロフィール

岩手県 大槌町立大槌学園 教諭
多田 俊輔(ただ・しゅんすけ)

校名・肩書は執筆時(2017年11月)