HAPPY NEWS 学校での取り組み

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気になった記事の発表が日課

小豆島町苗羽小学校

「私が今日、気になったニュースは『昆虫5種を希少種に環境省が追加指定へ』(2月16日付・四国新聞)です。昆虫に興味があり、絶滅の恐れがあると分かったからです」。新聞記事を手に日直の児童が元気よく発表する。興味深そうに聞き入る子どもたち。同じニュースに関心を持った児童が、「地球温暖化も影響していると思います。環境のことを考えたいです。」と自らの意見を述べる。瀬戸内海に浮かぶオリーブの島・小豆島(香川県)。壺井栄の小説「二十四の瞳」の舞台でもある。苗羽小学校は小豆島の南東部に位置し、校区には島を代表する地場産業の醤油や佃煮工場が並ぶ「醤の郷」と呼ばれる一帯があり、ほのかな醤油の香りや白い漆喰壁の醤油蔵が情緒ある雰囲気を醸し出す。40年前に廃校となった同校田浦分校は「二十四の瞳」で大石先生が通った「岬の分教場」のモデルとしても知られる。

全校児童は123人。このうち6年生21人のクラスは、昨年6月から朝の光景が変わった。朝の読書を終えた午前8時25分から行う朝の会。健康チェック、「苗羽小人人権宣言」の復唱に続いて、日直の児童が関心を持ったニュースを発表するのが日課となった。

きっかけは1学期の国語の授業「伝え合おう、わたしの意見」だった。新聞を読み、印象に残った記事を発表する授業を通じ、子どもたちの変化を感じた担任の真砂俊和教諭(40)。

「毎日続けることで、より地域や社会に関心を持つことができるのでは」と朝の会にも取り入れたという。新聞広告で知った「HAPPY NEWSキャンペーン」も、夏休みにも新聞に触れる機会になると参加を呼び掛けた。スポーツや環境問題、動物など、興味のある記事を探し思いをつづった子どもたち。「自分の好きなスポーツの記事を読むとHAPPYな気持ちになるのが分かった」。大好きな野球の記事を選んだ男子児童は振り返る。

毎日読んでいると大人になった気分

新聞を読み始めて約9か月。子どもたちの新聞への思いは変わった。当初、「読むのがめんどうくさい。聞くだけでいいからテレビのニュースのほうがいい」と思っていた男子児童は「新聞のほうが分かりやすいし、自分で読むので楽しい気持ちになる」と大きく変化。「番組表を見れば十分。ただの紙」と思っていた女子児童らは「情報が分かりやすく書かれていて日常生活に不可欠なもの。最高の紙」と言い切った。大人が読むものというイメージも強く、「子供が読める記事もある」と発見した児童や中には「毎日毎日、新聞を読んでいると自分も大人の男性になった気分」と誇らしげな男子児童も。真砂教諭も手応えを実感している。「今回の取り組みを通じ、国語力アップはもちろん、社会に関心を持てるようになった。大人への一歩を踏み出せたのでは」。子どもたちの成長ぶりに、顔をほころばせた。

四国新聞社・小豆島支局・福田有紀