NIEを広げるために ~カラーバス効果を意識~

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NIEのよさ?

 現在NIEアドバイザーとして、主に勤務校のある埼玉県内の学校にNIEを広める活動を行っています。特に私の勤務校のあるさいたま市では、市教委が積極的に授業などで新聞を活用することを進めています。しかしながら、学校間に実践の温度差があり、思うように新聞の活用が広がっていない状況です。

 新聞活用を担当する指導主事の先生が、「NIEが広まらないのは、その効果がよく見えないからではないか」とおっしゃっていました。実践される先生方に、NIEを行うことでどんな効果があるのかをしっかりと示す必要があると考えます。新聞協会でもNIEの効果の見える化を図るための活動もスタートしています。

 しかし、NIEは活動内容だけでなく、活動することにより得られる効果も多岐にわたっていると考えます。それは大変すばらしいことですが、逆に先生方がどのように新聞を活用してよいのかを迷わせていることにもなっているようです。

3年生・算数「棒グラフ」の授業での実践

 現在担当する3年生で、NIEを導入した取り組みを行いました。3学年の算数科では「棒グラフ」を読んだり書いたりする学習があります。棒グラフの読み方を理解させ、実際に数値をもとにグラフを書く技能を身につけさせます。ここで新聞を活用してみました。

 具体的には児童が丸ごと1部の新聞から棒グラフを探す活動です。平均して1部の新聞に4~5個ぐらいの棒グラフが使われていましたので、児童は棒グラフを実際の新聞から見つけることができ、社会の縮図である新聞に現在学習していることが生かされていることを感じられました。

 グラフを見つけた後は、そのグラフがどんなことを表しているかを考える活動です。児童にとって新聞記事はまだ難しいですが、グラフと見出し、そしてその他の写真などの資料から、おおよその記事の内容を理解することができます。児童はグラフと見出しから大体の内容を理解し、友達に見つけたグラフを紹介することができました。

カラーバス効果をねらって...

 算数の授業で棒グラフを扱う授業はこれで終わってしまいますが、児童はきっとこれからも新聞などから棒グラフを進んで見つけるのではないかと思います。

 休み時間に「先生、また新聞からグラフを見つけました。これは震災に関係する記事です」と報告をしてくれました。

 頭の中に意識していることがあると、自然と関連することに目が行くようになるようです。これは「カラーバス効果」と呼ばれるそうです。この「カラーバス効果」を意識して指導していくことが、新学習指導要領で重要視されている「社会に開かれた教育課程」を実現するために大切だと考えています。なぜなら、学習したことを定着させ、生きて働く本物の知識にするために、生活と学習内容をリンクさせる必要があるからです。また、そこに新聞を使うことで、社会の中にどう学習内容が生きるかが理解できます。この、「カラーバス効果」を、NIEの効用としてぜひ広めていきたいと考えています。

菊池 健一(さいたま市立海老沼小学校教諭/NIEアドバイザー)(3月30日)