NIEを取り入れた防災教育の実践(3学年・国語科)③

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防災士からいただいたコメント

児童が書いたイメージマップ

構成表をもとに記事を書く児童

身の守り方について必要な情報を集める

 前回までの学習で、児童は学校の中で大震災が起こった際に、友達がいる可能性が多い場所での危険について調べ、どのような危険があるかを考えてきました。そして、自分たちの命を守るために必要なことを調べる活動をスタートしました。

 まずは防災関係の本と新聞記事を活用して調べました。防災関係の本は事前に教師側で、できるだけたくさん用意し、新聞記事は全員に印刷して配布しました。さいたま市では図書のネットワークがあり、事前に申請しておくと各図書館から同じテーマの本を集めることができます。また、市立図書館では個人で30冊まで本を借りられるので、調べ学習を行う際に活用できます。また、新聞社のNIEサイトの中には、記事をテーマごとに整理して見られるようになっているものもあるので、大変調べやすく、児童に提供しやすいです。

 また、調べて分からないことや、自分たちで考えたことが正しいかどうかを知りたいことなどについては、防災士の方に質問の手紙を書くことにしました。本実践では東京で活躍する看護師でもあり防災士でもある方に協力を依頼しました。児童はこれまでに学習した手紙の書き方を活用して、知りたいことについて質問しました。これらの活動を通して、児童は主体的に情報収集を行うことができました。

集めた情報をもとに防災記事を書く

 児童は本や新聞、そして防災士の方へのインタビューを通して、大地震があった際にどのように身を守ったらよいかを調べてきました。この後は、調べたことを発表するために新聞記事にまとめていく活動を行います。

 まずは、集まったたくさんの情報を整理する必要があります。ゲストティーチャーとして児童を指導してくださった朝日新聞社の山浦記者は、「伝えたいことをしっかりと絞ろう」とアドバイスしてくださいました。児童が調べて得た情報はたくさんあり、それを全部記事にすることはできません。そこで、思考ツールを活用し、得た情報から、一番伝えたいことを考える活動を行いました。

 児童が調べたことを整理するのに活用したツールは「イメージマップ」です。まずは、図の真ん中に自分が調べている場所を大きく書き、そこから派生して起こりうる危険やその危険を回避するためにどうすればよいかをどんどん記入していきます(写真参照)。こうすることで、たくさんの情報が整理でき、それぞれが有機的につながります。この図が出来上がると、自然に児童は一番伝えたいことが明らかになってきます。

 「まずはダンゴムシのポーズで頭を守ること」

 「とにかく、上から物が落ちてきて目に入ると危ないので上を見ないこと」

 など、調べたことの中から自分の伝えたいことを明らかにした児童は、山浦記者からいただいた「伝えたいことを見出しとして考えた上で記事を書きはじめると上手に書ける」というアドバイスを生かして、まずは記事の見出しを考えました。

 中学年の国語科の目標として、「中心となることについて、筋道を立てて説明する」ことが挙げられています。ここでいう「中心」とは児童が見出しに書いた一番伝えたいこととなります。そして、「筋道を立てて説明」とは、新聞記事の書き方として、①一番伝えたいこと②詳しい説明③呼びかけというように、伝えたいことを一番先に書き、その後詳しい説明や理由を書くこととなります。今回の活動は国語科の目標ともしっかりリンクした取り組みであると言えます。

 児童は記事を書くための構成表を事前に作成してあったため、迷いなく記事を書くことができました。特別に支援を要する児童に対しても、構成表をもとに支援をすることができました。今回作成した記事をもとに、次回は違う課題をもっているグループンメンバー同士で防災について調べたことを発表し合います。そして、そこから、地震が起こった際に必要な行動についてしっかりと理解を深めさせたいと考えています。

菊池 健一(さいたま市立海老沼小学校教諭/NIEアドバイザー)(2月22日)