NIEを取り入れた防災教育の実践(3学年・国語科)①

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児童が読んだ新聞記事

保護者のコメントも付いたワークシート

防災教育の必要性

 東日本大震災から7年がたとうとしています。今年度担当している3年生は当時1歳から2歳であり、話を聞いてみると半数以上の児童が震災当時のことを覚えていませんでした。これまでは、震災当時にどこにいて、どんなことを考えていたかなどを児童と話し合えたのですが、これから受け持つ児童にとって、東日本大震災は「過去の出来事」になってしまうのだと改めて感じました。

 しかし、防災教育は、学校の中でしっかりと行っていくべきだと考えています。東日本大震災だけでなく、この7年の間に熊本地震など多くの災害が日本を襲いました。また、近い将来に巨大な地震が日本を襲う可能性が高いことも示されています。そのような中、児童がこれから生きていく上で、自分の命を自分で守れるようにならなければなりません。

 文部科学省が発行する防災教育資料によると、中学年で例示されているのはおおむね総合的な学習の時間において地域の防災マップを作るような活動です。本校では、総合学習で地域や環境をテーマに取り組むことが決まっているため、防災教育に取り組むことができません。そこで、教科の中で防災を取り上げることができないかと考え、国語科の単元を活用して防災教育に取り組むことにしました。

被災について知るために新聞を活用!

 児童が震災や防災を自分事として捉えるため、被災地を取材した記事をスクラップする活動を行いました。児童は普段から新聞に親しんでいるので、すぐに活動に取り組むことができました。授業では被災地を取材した新聞記者をゲストティーチャーとして招へいする予定があったので、その記者の書いた記事を保護者と一緒に読む活動を行いました。

選んだのは、宮城県南三陸町の防災対策庁舎で最後まで町民に放送で避難を呼びかけながら、津波に飲まれて亡くなった方を取り上げた記事でした。記事には大きな写真がついているので、記事を読むのが難しい児童にも大体の内容が分かります。児童は記事を通して、ほぼ初めて被災地の様子に触れることができました。

 今回は、この記事を保護者にも読んでもらい、児童と話していただきました。この活動を取り入れた理由は、子供たちに大人の考えも知ってほしかったからです。そして、いろいろな角度から震災について考えられるようになってほしいと考えました。保護者からは、

 「親としては、放送をやめて逃げてほしいと思った」

 「自分の命をまず守ってほしかった」

 という意見が多くありました。子供たちは、保護者はこの防災対策庁舎で亡くなられた方の親だったらという視点で感想を書いていることに気が付きました。親子で話し合うことで、児童は震災や防災についての意識をさらに高めていくことができたようです。

菊池 健一(さいたま市立海老沼小学校教諭/NIEアドバイザー)(2月20日)