北海道・東北ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議報告

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2017年度の北海道・東北ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議が9月30日(土)、山形新聞社山形メディアタワー会議室において開催され、24人が参集しました。基調提言のほか、各県活動報告など、活発な情報交換が行われました。

Ⅰ 基調講演「新学習指導要領とNIE~NIEの授業とアクティブ・ラーニング~」

日本新聞協会の関口修司NIEコーディネーターから、まず、新学習指導要領の背景についての話がありました。子供の生きる未来の日本は、玉石混交の情報が氾濫する社会であり、正確な情報の必要性が高まること、小中連携だけでなく高大接続改革も視野に入れる必要があること。しかし、子供たちは、自己肯定感や社会参画意識が低く、基本的な読解力も落ちている現状なので、子供たちの応用力・創造力・コミュニケーション能力の育成がより必要になってくる。そのためには、日常的に新聞を読むことが有効であると話しました。

一方、NIEを実践している学校の子供たちや新聞を定期的に読んでいる子供たちの学力向上の効果については、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)等から相関関係が明らかになってきているので、今後は、因果関係までも明らかにできるとよいと説明。これからのNIEの授業は、NIEタイムなど、取り組みやすい方法で継続することで、「楽しい」「やってよかった」と感じられるようになったり、授業の学習過程を(つかむ→調べる→話し合う→まとめる→振り返る)の流れで行うことで「主体的・対話的で深い学び」へとつながったりするようになると提案しました。

また、新聞協会の催しではないが、17年4月に開かれた「こども新聞サミット」のワークショップを見て、科学技術の発達した社会について考えた際、子供たちは最終的に「科学技術は、作る人・使う人の考えで未来が良くも悪くもなる」と考えをまとめることができたことから、主体的に学ぶ場面、対話的に学ぶ場面、深く学ぶ場面を意図的に作ることが効果的で、新たな疑問をもつようになると話しました。そして、なにより「NIEは子供の成長のため」であることを確認して講演を閉めました。

Ⅱ 推進協議会の取り組みと交流

 1 「学校図書館図書整備等5か年計画」

 新聞協会の服部朋子新聞教育文化部長より、17年度、新聞配備の地財措置が30億円へと倍増され、高校へも広がったこと、主権者教育に複数紙の読み比べが有効であること、新聞活用が新学習指導要領で記述されていることなどの話がありました。一方で、小中学校の約4割にしか配備されておらず、教育委員会への働きかけが今後も必要であるとのこと、学校図書館への新聞配備は、学校を活性化させるツールとなるので今後も新聞協会NIE委員会は働きかけを続けることを確認しました。

2 各県推進協議会の取り組みと課題

  北海道・東北ブロックの各推進協議会の活動報告と、抱える課題について報告がありました。

北海道は、地区セミナーを年10回実施し、会場でのNIE関連グッズの評判がよい。大学や図書館協議会との連携の動きも出ているので継続するとともに新聞記事データベースの活用事例の普及を進めたいということです。

福島県は、7月15日に県教育委員会と共催で開催したNIEシンポジウムが好評を博し、行政の動きが一段と活発になり教育への新聞活用の理解が高まっている反面、組織づくりが遅れていることが報告されました。 

山形県は、4月より、アドバイザーによる地元紙へのコラム寄稿が隔週で始まるとともに、学校ぐるみのNIEの取り組みが広がってきたが、事務局体制が脆弱な部分があり、強化していきたいと報告しました。

秋田県は、有志によるNIE学習会を2回開催。10月には、推進協議会主催で全県の教職員を対象としたNIE研究会を実施予定。また、横手市独自では年8回の新聞の日があり、積極的に取り組んでいる。その反面、小中高の連携やネットワークづくりが課題ということです。

青森県は、自治体予算での学校購読が増え、むつ市の小学校5年から中学3年までの全学級に新聞を毎日配備。12月には、NIE研究会主催による公開授業等を含めたセミナーが予定されている一方、若い先生方のNIEへの関心が低いことが課題との報告がありました。

岩手県は、全国大会に向けて教職員の意識向上を目指して、研修会を月1回継続開催しており、全国大会にも33人が参加した。小中高の取り組みも進んできているが、学校教育における新聞活用の有効性を理解してもらうことや新聞社と学校との連携が課題となっていると報告しました。

宮城県は、県内5年生児童を対象に35校約2800部の新聞提供を実施。NIEアドバイザーには授業活用のため河北新報データベースのIDを提供。また、教員や教員を目指す学生を対象とした「土曜しんぶんカフェ」を河北新報社1階で毎月開催し、40人近い参加もあったと報告されました。

3 意見交換 「新学習指導要領の趣旨を生かしたNIE」

三つのグループに分かれて、 「新学習指導要領の趣旨を生かしたNIE」をテーマに意見交換を行いました。

①限られた時間の中でNIEを実践するためにはカリキュラム・マネジメントの確立が大切になってくる

②現場での新聞活用について行政が後押しする動きが出てき始めており、今後に期待できる

③新聞を読み比べる際、全国紙と地方紙両方があることで学びが深まる

④新聞社も学校の授業で活用できることを意識した記事を心掛けてほしい

などの意見が出ました。

4 まとめ

最後に関口コーディネーターが、①息の長い実践をするには、「NIEは子供の成長のため」ということを念頭におくことが大事なこと、②中学、高校でも新聞を使って実践している先生は非常に多いので、そういった先生方への宣伝が必要なこと、③データベースの利活用で読み比べなどを行うことも有効なこと、④一手間かければ二手間省けるNIEを目指していけばよいと総括しました。

5 次回全国大会開催地より

会議終了にあたり、18年度NIE全国大会を開催する岩手県より概要説明がありました。「新聞と歩む 復興、未来へ」のスローガンやオリジナルシンボルマーク紹介のほか、公開授業・実践発表の見所なども紹介され、18年7月26、27日開催の全国大会をオール東北チームで盛り上げていくことを全員で確認しました。

大賀重樹(青森市立東陽小学校教頭/NIEアドバイザー)(10月10日)